公開日時 2026年05月10日 05:00更新日時 2026年05月10日 10:39

ヤンバルクイナ輪禍急増 繁殖期で活動活発に きょうから愛鳥週間 沖縄
道路を横断するヤンバルクイナ=2025年5月、国頭村

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武井 悠

 国指定天然記念物ヤンバルクイナの交通事故件数が、この1カ月間で急増している。1~3月は計4件だったが、4月だけで8件発生。4月18日には国頭村楚洲の県道70号で、ふ化後約3週間とみられる幼鳥2羽がひかれて死ぬ事故もあった。

 10日から16日は、野鳥を通して自然保護の大切さを伝える「愛鳥週間」。ヤンバルクイナの交通事故は国頭村の東海岸側を通る県道70号で多く発生している。これからの時期は例年事故が多くなるため、やんばる路を走るドライバーには、運転により一層の注意が求められる。

 環境省やんばる自然保護官事務所によると、繁殖期を迎える4月から6月は、交通事故の件数が特に増加する時期に当たるという。ひなに与えるえさが必要なため親鳥の活動が活発になるほか、生まれて間もない若鳥が道路に出始める時期であることなどが要因だ。

 時間帯別にまとめた交通事故件数のデータによると、午前6~8時台と午後4、5時台の交通事故が多い。ヤンバルクイナは昼行性だが、同事務所によると、繁殖期は夜間に活動する様子も確認されており、4月10日には深夜3時過ぎに事故が発生した。

 同事務所が公表しているデータによると、2011年以降、4月の交通事故件数は19年の9件が最多。今回の8件はそれに次ぐ多さだ。11~25年の月別の事故件数を見ると5月から6月ごろがピークになる傾向があり、12年には5月の1カ月間で13件の交通事故が発生した。同事務所の庄嶋菜月さんは「動物が飛び出しても止まれる速度で走ることが一番だ。路肩に草がはみ出している場所は飛び出しに気づかないこともある」と話し、安全運転を呼びかけた。夜間はハイビーム運転も有効だと語った。

 今年発生した12件の事故のうち、10羽が死に、2羽が生き残った。うち1羽は重傷で、現在は野生復帰を目指して治療中だという。

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