
仙台市青葉区の住宅街で駆除されたクマ(C)共同通信社
今年は早くも国内各地の都市部でクマの出没が相次いでいる。
先月25日午前10時過ぎ、京都市右京区の清滝川の河川敷で、近所に住む男性(40)が親子とみられるクマ3頭を目撃。クマは川沿いをゆっくり歩き、そのまま姿を消した。付近には紅葉の名所として有名な「神護寺」や、高雄の川床を楽しめる料理旅館がある。現場は「JR花園駅」から車で10分ほどで観光客も多い。
その1週間前の17日午後9時前には、仙台市青葉区の住宅街の路上で体長1.5メートルほどのクマが目撃された。クマはその後、多くの通勤・通学客が利用するJR北仙台駅付近から市中心部に向かって移動を続け、19日午後7時半過ぎ、マンションの敷地内に居座っていたところを駆除された。2日以上も住宅街をウロついていた可能性がある。
■秋田市では例年の10倍以上
クマの出没件数が最も多い市町村は秋田市。JR秋田駅から約1キロと秋田市の中心部にある「千秋公園」は昨年、クマの出没により、何度も閉鎖された。秋田県のクマ出没マップ「クマダス」によると先月だけでクマの目撃情報が149件。4月としては過去最多で、例年の10倍以上だという。
「通常は目撃情報があってから箱わなを設置していますが、今年は出没する前から、昨年の目撃情報があったところに仕掛けています。捕獲できたのはまだ1頭だけです」(秋田市担当者)
冬眠から目覚めたのに森の中にエサがまったくない
クマによる人身被害が過去最悪となった昨年と比べ、今年は春先からよりクマが人里に近づいてきている。
「前の年に大量出没した翌年の春先に市街地に多く出没する傾向があります。3年前がまさにそうでした」と、環境省鳥獣保護管理室担当者がこう続ける。
「昨年、柿の木があった場所とか、人が住む地域に行くとおいしい食べ物があることを学んだ。味を覚え、捕獲されなかったクマたちがエサがあるところを思い出し、山から下りてきたと考えられます。クマは学習する動物ですから、また人の近くに行けば食べ物にありつけると考えているのではないか。それで市街地近くに生息することに慣れた可能性もあります」
昨年の大量出没はクマの主なエサとなるブナの実が凶作だったことが、原因の一つとされていた。
ブナの結実調査を行い、今年は「豊作」を予測している「秋田県林業研究研修センター」の和田覚環境経営部長はこう指摘する。
「4月はまだ山の植物が芽吹いておらず、その上、昨年はブナが凶作だったため、今年は地面にドングリがまったく落ちていません。冬眠から目覚めたのに森の中にエサがまったくなく、食べ物を求めて人里に下りていった可能性があります。GWが明けたころには食べ物が増え、少しは落ち着くと思います」
そうなることを願うばかりだ。
◇ ◇ ◇
クマ被害、クマ対策の最新ニュースは、関連記事【もっと読む】【さらに読む】などでも詳しく報じている。
