秋冬の東京を舞台に、アートを基軸に都市の魅力を伝える国際文化芸術祭「ARTE TOKYO(アルテ トーキョー)」[*1,2]が2026年10月から12月にかけて開催されます(主催:東京都、東京国際文化芸術祭実行委員会)。

統括プロデューサーを齋藤精一氏(パノラマティクス)が務めるほか、建築家の永山祐子、西澤徹夫、森 純平の諸氏がクリエイティブチームに名を連ねています。

「ARTE TOKYO(アルテ・トーキョー)」開催概要

開催期間:2026年10月10日(土)〜12月31日(木)
開催コアエリア:臨海エリア、日比谷・丸の内エリア、代々木・渋谷エリア
主催:東京都、東京国際文化芸術祭実行委員会(委員長:青柳正規 / 東京大学名誉教授、アーツカウンシル東京機構長)

ARTE TOKYO(アルテ トーキョー)コアエリア

「ARTE TOKYO」3つのコアエリア

ARTEクリエイティブチーム:
・統括プロデューサー:齋藤精一(パノラマティクス 主宰)
・統括セノグラファー:永山祐子(永山祐子建築設計 主宰)
・ARTEプログラムディレクター:青木 彬(藝と 代表)
・ARTEプログラムディレクター:井口皓太(CEKAI 代表)
・ARTEプログラムディレクター:吉田山(FLOATING ALPS 代表)
・ARTEセノグラファー:西澤徹夫 (西澤徹夫建築事務所 主宰)
・ARTEセノグラファー:森 純平(interrobang 代表)
・ARTEアートディレクター:木住野彰悟(6D 代表)

ARTE TOKYO ティザーサイト
https://artetokyo.jp/ja/

*1.正式名称発表(東京都生活文化局 2025年4月10日 報道資料)
https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2026/04/2026041007
概要発表(同局 2025年9月30日 報道資料
https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2025/09/2025093013

「ARTE TOKYO」とは?

秋から冬にかけての東京都内では、これまでにもイルミネーションなどさまざまなイベントが開催されています。春と夏にも、東京2020大会[*3]にあわせた「Tokyo Tokyo FESTIVAL」や、「花と光のムーブメント」(2022年〜)など多彩に展開してきました。
「ARTE TOKYO」は、これら都内でのアート、演劇、音楽、イルミネーション、エンターテインメントといった多彩なプログラムを結び合わせ、「ひとつひとつの輝きを都市全体の魅力として描き出す」フェスティバルとして集約、拡張し、国際的な都市イベントへと認知・成長していくことを目指しています。今年がその初年度となります。

*3.コロナ禍の影響で2021年に開催された第32回オリンピック競技大会(2020 / 東京)および東京2020パラリンピック競技大会の総称

ARTE TOKYO(アルテ トーキョー)全体構成

「ARTE TOKYO」概要(注.上記表に記載のイベント名称は昨年度までの実績などに基づき、開催予定を含む。 今年度の開催については各主催団体の発表をもって正式な内容となる)

「ARTE TOKYO」は、上記の全体計画のもと、3つのコアエリアを中心に、コアプログラムとハイライトプログラム、そして都内各所でのパートナープログラムで構成されます。
初年度は、臨海、日比谷・丸の内、代々木・渋谷の3つがイベントが集約するコアエリアとなり、そのほか都内各地で開催予定の各種プログラムと連携して展開されます。多様な地域と国内外の多くの人を巻き込んだ、東京ならではの新たな祭典としていく計画です。

メインロゴ デザインコンセプト

メインロゴのデザインは、デザイナーの木住野彰悟氏率いる6Dが担当しています。

ARTE TOKYO(アルテ トーキョー)ロゴマーク

メインロゴ(デザイン: 木住野彰悟 / 6D)

東京都の輪郭をモチーフに構成。都市の形を一度切り取り、再構成することで生まれたラインは、東京という都市をひとつの「枠組み」として捉える視点を示している。「ARTE TOKYO」は、単一のイベントではなく、この枠組みの中で多様な出来事が立ち上がる「場」であり、さまざまな文化や表現が交差し、新たな関係性や価値が生まれ、その可能性を受け止める器として、包み込むような「括弧」のかたちで表現されている。2色のグラデーションによるカラーは、歴史と未来、情熱と知性、テクノロジーと人、そしてARTEの由来であるアートとエンターテインメントといった、東京に共存する多様な要素を重ね合わせた。境界を設けない色のつながりは、異なる領域を横断しながら、東京の芸術・文化・エンターテインメントを大きく包み込んでいく、このイベントの姿そのものを表したデザインとなっている。(東京国際文化芸術祭実行委員会 2025年4月10日プレスリリースより)

ARTEコアプログラム

注.作品画像はこれまでに開催された当時のもの(「ARTE TOKYO」での開催イメージとして主催者提供)

アートプロジェクト〈まさゆめ〉2021年7月13日実施

目 [mé]〈まさゆめ〉2019-21, Tokyo Tokyo FESTIVAL スペシャル 13 撮影:金田幸三 ※写真はイメージ

大巻伸嗣作品〈Gravity and Grace〉

大巻伸嗣〈Gravity and Grace〉 Photo: Keizo Kioku ※Photo for illustrative purposes only.

川村亘平斎〈影絵パフォーマンス〉

川村亘平斎〈影絵パフォーマンス〉 ※写真はイメージ

永山祐子建築設計〈うみのハンモック〉

永山祐子建築設計〈うみのハンモック〉 ©︎Nobutada Omote ※写真はイメージ

鈴木康広〈空気の人〉

鈴木康広〈空気の人〉 ※写真はイメージ

ARTEコアプログラムについて

ARTEコアプログラムは、東京のまちなかにアートをはじめとする文化・芸術を広げ、都市と人の新たな関係を紡ぐ、「ARTE TOKYO」の中核プログラム。芸術文化が都民のくらしのインフラとなるよう、東京都がこれまで推進してきた取り組みを体現するプロジェクトとして、公共空間や民間施設などのまちなかを舞台に、多くのアート・エンターテインメント企画を展開する予定。東京2020大会での文化プログラムの一部を再現するとともに、これまで都が支援してきたアーティストやクリエーターを積極的に起用し、東京ならではのクリエイションの創出を目指す。コアエリア内で展開される多様なイベントや、ベニュー(venue)とも連動し、相乗効果を生み出すことで、文化体験の連続性とエリアの回遊性を高めていく計画(詳細は決まり次第、ティザーサイトなどで順次発表)。

3つのコアエリア
臨海エリア
ARTE TOKYO(アルテ トーキョー)コアエリア

臨海エリア(仮称および開催予定を含む):①国際美術展 TOKYO ATLAS ②東京アクアシンフォニー ③イルミネーションアイランドお台場 ④臨海副都心イルミネーション ※開催エリア調整中(上記地図はイメージ)⑤お台場レインボー花火

日比谷・丸の内エリア
ARTE TOKYO(アルテ トーキョー)コアエリア

日比谷・丸の内エリア(仮称および開催予定を含む):①丸の内エリア・イルミネーション装飾 ②日比谷マジックタイムイルミネーション ③花と光のムーブメント ④KK線アートイベント)

代々木・渋谷エリア
ARTE TOKYO(アルテ トーキョー)コアエリア

代々木・渋谷エリア(仮称および開催予定を含む):①表参道 イルミネーション 2026 ②青の洞窟 SHIBUYA ③代々木公園×夜間の魅力創出

3つのコアエリアでのいわゆる”イベントの山場”は、10、11、12月でそれぞれ分散させる計画とのこと。

「ARTE TOKYO」開催の背景と展望

「世界の都市総合力ランキング2024」(一般財団法人森記念財団 都市戦略研究所 発表)において、東京は「文化イベント開催件数(Number of Cultural Events)」で1位を獲得している一方で、発信力や観光資源などで評価される文化・交流部門では、ロンドンやパリを追う位置となっています。「ARTE TOKYO」は、東京都がこれまで開催してきた、多彩なコンテンツを結び合わせ、価値の連鎖へとつなげ、新たなアートシティ像を創出し、東京の都市としての魅力を際立たせようとするものです。

展望について、4月28日に都内で行われたメディア説明会にて、統括プロデューサーの齋藤精一氏は次のように語っています。

「東京都がこれまで開催してきた、魅力的で動員実績もあるさまざまなイベントを、1つ大きな笠の下でまとめあげ、共創のプラットフォームを形成し、都市の魅力を伝える大きなうねりへと成長させていく、これが都の長期的事業のもと開催されるARTE TOKYOです。関係各所を横断し、単発で終わらせることなく知見・経験を生かした展開を継続できれば、ヴェネチアやミラノ、シドニーといった世界有数の都市の顔にもなっているアートとデザインの祭典に匹敵するような、強力なコンテンツへと成長する可能性が大きい。アートも、単なる発表の場にとどまらず、会場となる土地の文化や歴史といった”地層”を読み解くような作品表現ができる作家ばかりです。都市と人の関係性を再構築し、その土地でまちづくりに関わってきた人々とも連携して、エリアの潜在的資源を掘り起こすブランド形成、地域投資の環境をつくっていけるといい。ただ、ART(アート)と聞くと、まだまだ一般的には難解な印象をもつ人も多いことでしょう。ARTE(アルテ)という名称は、イタリア語ではアートを意味するラテン語由来の言葉で、末尾のEには、エンターテイメント、エクスペリエンス、エンゲージメント、エコシステムといった、人々を巻き込むような広義な意味と願いを込めています。会場が複数に点在するため、回遊性を重視して、3人の建築家にセノグラファーとして参画してもらい、東京の特徴ある風景に呑み込まれない、迷うことなく会場にたどり着けるサインビジュアルなどを計画中です。情報発信にも力を入れ、現状はティザーのウェブサイトにて、7月にまとまった情報発信を予定しています。」(齊藤氏プレゼンテーションとその後の取材談話を要約)

 

なお、東京都では、パートナープログラムへの参加を官民を問わずに公募中です(対象事業は本芸術祭の会期中に東京都内で開催される文化・芸術・エンターテインメントに関する取り組みなど、5月15日締め切り(詳細は東京都 報道発表を参照)。

公募ページ:https://artetokyo.jp/ja/news/koubo/

統括プロデューサー メッセージ

東京には、多様な文化や表現の活動が息づいています。とりわけ秋から冬にかけては、アート、デザイン、エンターテインメント、そしてまちを彩るイルミネーションなど、大小さまざまな表現が都市の中にあふれます。
これまで、それらは個別に実施されることが多かったように思いますが、本年より始まる「ARTE TOKYO」は、それらをゆるやかにつなぎ、ひとつの大きな流れとして編み上げていく、首都東京における新たな国際文化芸術祭です。私は、このようなプラットフォームの誕生を長年待ち望んできました。
東京は、さまざまな歴史や文化の層が重なり合う都市であり、それぞれの地域に固有の魅力があります。世界的にも類を見ない規模と解像度を持つこの都市が、ARTE TOKYOを通じて美しく連携し、共創し、多様な人々を巻き込みながら、新しい体験を生み出していくことを目指します。
東京に暮らす人も、東京を訪れる人も、ともに参加し、楽しむことができる場として、本芸術祭が広がっていくことを願っています。私自身もこれまでの経験を集約し、この大きな一歩に全力で取り組んでまいります。
そして、アートや表現が都市のインフラの一部となるような未来を目指し、統括プロデューサーとして尽力してまいります。

「ARTE TOKYO」統括プロデューサー 齋藤精一

Seiichi Saito

齋藤精一氏 プロフィール

パノラマティクス主宰、アブストラクトエンジン代表取締役。建築デザインをコロンビア大学建築学科で学び、2006年にライゾマティクス(現 アブストラクトエンジン)を設立。2020年「CREATIVE ACTION」をテーマに、産官学を越境した地域デザインや都市開発、アートプロジェクトを手がけるデザインコレクティブ「パノラマティクス」を結成。
「Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島」(2019年、2022年、2024年)プロデューサー、2025年大阪・関西万博EXPO共創プログラムディレクター、グッドデザイン賞審査委員長(2023-25年度)、Roof Park Project 共創プラットフォーム クリエイティブコンダクターなど歴任

パノラマティクス(Panoramatiks)ウェブサイト
https://panoramatiks.com/

本稿は、4月28日に都内でメディア向けに開催された取材会での「ARTE TOKYO」の統括プロデューサーを務める齋藤精一氏のプレゼンテーション、および同氏への取材、これまでの主催者発表内容に基づく(texed by Naoko Endo)

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