
スーパーもコンビニもない“限界集落”に移住者続々…救世主は「水力発電」!? 今では人口の4分の1が移住者 岐阜の山間にある石徹白集落
日本中に増えている限界集落。人口減少で維持が困難な所が多い中、移住者が増え続ける岐阜の集落があります。人を惹きつける秘密とは。
福井県との県境、白山連峰の麓にある岐阜県郡上市石徹白地区。スーパーやコンビニどころか小さな商店もない、一見 典型的な「限界集落」。
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しかし、ここはちょっと違います。創立150年を超える石徹白小学校には、今年も新入生が。
「一生懸命勉強します」
「友達と仲良くします」
「自転車やスキーを頑張ります」
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今年は3人。在校生は今16人ですが、10年前の廃校寸前だったころに比べると…
(石徹白小学校 加藤一郎校長)
「平成28年は全校児童4人だったので、そこから少しずつ増えてきて今年度は平成28年から一番多い人数です。嬉しいです」
この10年で児童は最多 集落の「4分の1」が移住者
実は、16人の児童のうち13人が移住してきた子どもたちです。
「自然がたくさんあって、みんな仲が良くて、すごく毎日楽しいです」
「川とかがたくさんあって水がきれい」
確かに、若い親世代も大勢います。
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(移住者)
「4年前に鹿児島から移住しました」
「去年4月に神奈川から来ました」
「東京から引っ越してきました」
去年だけで7世帯13人。今年もすでに3世帯の移住が決まっていて、集落約200人のうち、今や4分の1が移住者です。
人を引きつける秘密は「水力発電」
標高700メートルの高地にあって、鉄道や路線バスもない。どうみても「陸の孤島」の集落が、なぜ若返っているのか。その秘密が…
(平野彰秀さん 50歳)
「水力発電なんですけど、110メートル上から水が落ちてきて、タービンが回転して発電機が回って発電しています」
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集落をあげて取り組む「水力発電」です。
(平野さん)
「この発電機で大体150世帯分くらいの電気ができます」
発電でできる125キロワットの電力はすべて売電。年間2400万円ほどの売り上げになります。施設の維持費や借り入れの返済を除いた利益は数百万に上り、耕作放棄地の整備や共有施設の電気代など、住民の生活支援に使っています。
CBC18年前に水力発電を始めたのも移住者
18年前に始まった集落の水力発電。発案者は、自分も移住者だった平野彰秀さんです。
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(平野さん 2009年)
「水がこちらに流れて水車が回って、水車の回転をチェーンとベルトを使って回転数を上げて発電機で発電をしている」
平野さんは、白山の山がもたらす豊富な水を生かそうと、農業用水路に小さな水力発電設備を導入。最初は、たったの200ワットでした。
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そして2016年には、総工費2億4000万円をかけ今の設備を整えたのです。建設費用は集落の全世帯が出資金を出し合い、すべて住民で運営を行っています。
(平野さん)
「地域の人たちは、水力発電とかが人口がどんどん減っていく中で、集落の起爆剤にならないかということを考えて一緒に取り組んできた」
住民による水力発電が注目され、少しずつ移住者が増えていったのです。
CBC5DKで家賃3万円!? 移住者向けの家も
さらに…
(平野さん)
「今、新しい会社を作って、会社で家を買って改修して貸し出すこと始めた」
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移住者向けの家も。入居者の第一号が、先週東京から引っ越してきたばかりの藤本さん夫婦。
(藤本さん)
Q.築何年くらい?
「気にしたことなかった。築50年くらいいってそう」
家探しを心配していた2人ですが、平野さんから紹介を受けた家は5DKで家賃は3万円。
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ところどころ壁紙が剥がれたりしている場所はあるものの…
(藤本さん)
「古い家の方がなんならロマンあるかな」
「ここは賃貸だけど、相談の上で『いじっていいよ』と言われているので」
これも、住民主体の町おこし。
CBC東京から来ても“居心地の良い集落”
去年、東京から移住した後藤洋美さんとタンザニア出身の夫・エドウィンさん。
(後藤洋美さん 30代)
「一緒に生活するとなった時も、彼の良さが消えない場所がいいし、自分も自然の中の方がタンザニアに近いような暮らしが心地いいなと思って、ちょうどここがそんな感じ」
(エドウィンさん 30代)
「石徹白大好き。一番は“神社”、二番は“山” 大好き」
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(近所の人)
「外へ出たら雨が降ってきたから慌てて(家の)洗濯物入れて、天気が良くなったから洗濯物干しに来ようと思った」
(洋美さん)「ありがとう」
(近所の人)「エド君ずっといた?」
(洋美さん)「いたけど寝ていた」
大都会から来ても、アフリカから来ても、居心地の良い集落のようです。
CBC小さな洋品店はネット販売で全国から注文が
洋美さんが石徹白を知ったのは、集落にある小さな洋品店がきっかけでした。店を経営するのは、水力発電で町おこしを始めた平野さんの妻・馨生里さん(44)です。
(石徹白洋品店 店主 平野馨生里さん 44歳)
「この土地ならではの形や染めなどを取り入れた服作りをやっています」
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今は従業員9人が働く雇用の場にもなっているこの店。ネット販売を通じて、全国各地から注文が入ります。
(平野彰秀さん)
「ここの土地が持っている力があると思いますし、ユニークな取り組みもやっているのでそれもあると思うけれど、いろんな取り組みをやって、いろんな要素があって何とか維持できていると思う」
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目立った産業や特産品がなくても、持続可能な集落を生み出した「住民主体の町づくり」。
厳しい状況にある全国の限界集落にとって、生き残りのヒントにもなりそうです。
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