
イタリアのトリノで、イスラエルのテロ攻撃でイスラエル人を殺害したパレスチナ人に原則として死刑を科す法律に抗議する人々(2026年4月10日撮影)。(c)MARCO BERTORELLO/AFP
【AFP=時事】国連人種差別撤廃委員会は1日、イスラエルが新たに制定した、テロ攻撃でイスラエル人を殺害したパレスチナ人に原則として死刑を科す法律について、パレスチナ人に対する人種差別を永続させるもので重大な人権侵害に当たるとして、即時撤廃を強く求めた。
同法が適用されるのは、軍事法廷で裁かれる占領地パレスチナ自治区ヨルダン川西岸のパレスチナ人。死者が出る「テロ行為」で有罪となったパレスチナ人は、原則死刑となる。
人種差別撤廃委員会は、「この新法は人権に対する重大な打撃であり、1962年以来イスラエルが事実上維持してきた死刑執行のモラトリアム(一時停止)を撤回し、死刑の適用範囲を拡大するものだ」と述べた。
同委によると、この法律は「事実上パレスチナ人にのみ適用され」、最終判決が下されてから90日以内に死刑を執行しなければならないと規定している。
同委は、イスラエルはすべてのパレスチナ人被拘禁者に対し、「法の下の平等な扱い、身体の安全、暴力や身体的危害からの保護、そして司法へのアクセスといった権利を保障すべきだ」とも述べた。
また、イスラエルに対し、「パレスチナ人に対する人種差別と隔離に相当するあらゆる政策と慣行を撤廃する」よう求めた。
さらに、他の国々は「占領下のパレスチナ領土に居住するパレスチナ人に対する差別的な政策や慣行の実施または支援に、自国の資源が使用されないようにすべきだ」と述べた。
18人の独立専門家からなる人種差別撤廃委員会は、締約国182か国による人種差別撤廃条約の順守状況を監視している。
1969年に発効したこの条約に基づき、各国は人種差別を撤廃し、隔離慣行を根絶し、人種、肌の色、出自、国籍または民族による区別なく、法の前の平等を保障しなければならない。
イスラエルは1979年に同条約に加入した。
イスラエルはこれまで死刑を2回しか執行していない。1回目は建国直後の1948年、国家反逆罪で有罪となった大尉に対して、2回目は1962年、ナチス・ドイツの親衛隊元将校アドルフ・アイヒマンに対してだ。
イスラエルは1967年からヨルダン川西岸を占領しており、2023年10月7日のイスラム組織ハマスによるイスラエル攻撃をきっかけにガザ紛争が始まって以来、ヨルダン川西岸で暴力行為が激化している。
【翻訳編集】AFPBB News
