奈良女子大(奈良市)の気球部が今年で創部20年を迎えた。数少ない大学気球部の中で、唯一の女子大学。気球を飛ばせる場所は限られ、活動には多額の費用が必要だ。それでも「普通なら見られない空からの景色は雄大で感動する」と、活動に熱中する。(池田光汰)
奈良女子大気球部の金谷さん(左から2人目)とメンバー(奈良市で)
2006年に創部し、現在の部員は32人。県内では飛ばせないため、普段の練習は気球飛行が盛んな兵庫県加西市まで出かける。毎週末、大学に午前4時に集合し、必要な道具を車に積み込んで向かう。
部員は、操縦士資格を取って気球に乗る「パイロット」と、組み立て作業や着陸の補助などを担う「クルー」で役割分担する。「みんなと連携するのが楽しい。仲良くないとうまくできない」と部長の3年金谷茉歩さん(20)。
扱うのは熱気球。風船部分の「球皮」の空気をバーナーで熱して浮力を得て、火の勢いで高度を変える。進路変更は風任せのため、高度によって変化する風向きを読む必要があり、知識と技術が求められる。パイロットの西本雪乃さん(21)と松本琴佳さん(20)(いずれも3年)は「風向きを読むのは難しいが、それが楽しい」と口をそろえる。
空高く飛ぶ気球(兵庫県加西市で)=奈良女子大気球部提供
競技大会もある。指定の位置まで気球で移動し、小さな砂袋を投げて近さを競ったり、気球内で建物の写真を撮影したりして、得点を競い合う。パイロットとクルーの連携が重要で、部員たちは「キジマ」「おおそと」「しんちゃん」などとニックネームで呼び合う。金谷さんの「キジマ」は好きなバンドにちなんで付けられた。本当の名前を忘れてしまうこともあるというが、クルーの3年阿部和胡さん(21)は「ニックネームで絆がより深まっている」と話す。
着陸した気球を回収する奈良女子大の学生たち=奈良女子大気球部提供
活動は長くても、知名度はまだまだで、部員集めは大変だという。移動や気球を追うために必要なワゴン車も古くなり、道具の買い替えも進まない。活動費は部費が中心で、資金繰りにも頭を悩ませている。
着陸する奈良女子大気球部の気球(兵庫県加西市で)=奈良女子大気球部提供
それでも、大会のために全国各地を旅するのが楽しい。飛行地のインストラクターや地域住民の協力は欠かせないが、金谷さんは「先輩たちが関係を築いてくれた」と感謝する。新入生の勧誘に努めながら、「安全に、楽しく、仲間を増やしたい」と前を向く。
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