2026年4月14日 午前7時30分
【論説】小浜市の道の駅「若狭おばま」が今年オープン15周年を迎えた。舞鶴若狭自動車道小浜インターチェンジ(IC)近くに立地し、小浜の玄関口として県内外の観光客に地域の魅力を発信する役割を担ってきたが、さらなる集客アップに向け他の道の駅との差別化を図る独自の戦略が必要だ。
道の駅若狭おばまは舞若道の全線開通を3年後に控えた2011年3月12日、小浜ICから西に約300メートルの場所にオープンした。東日本大震災の発生翌日だったこともあり、記念式典やステージイベントは自粛する波乱のスタートとなった。初年度こそ売り上げは約6800万円と伸び悩んだが、2年目以降は1億円以上を確保。海産物やスイーツなど若狭小浜の豊富な食や、歴史深い地域の魅力発信へ一定の役割を果たしてきた。
この15年で一番の転機となったのは、23年3月の大幅なリニューアルだろう。古来より若狭地域から京都に塩や海産物を運んだ「鯖街道」のストーリー性を前面に押し出した内装に一新。物産スペースを1・6倍に拡充し、小浜の塩を使ったどら焼きなどオリジナル商品の開発に力を入れたほか、背負い籠やすげがさを用意し来店者に往時の行商人気分で買い物を楽しんでもらうなど遊び心満載の趣向を凝らした。リニューアル後の売り上げは▽23年度2億5200万円▽24年度2億8900万円▽25年度3億3100万円―と大きく伸びている。
道の駅は1991年に山口、岐阜、栃木の各県に実験的に設置されたのが最初。以来全国で相次いで整備され、2025年12月時点で1231駅ある。福井県内にも21駅が設けられ、大手アウトドア用品メーカー「モンベル」が出店する大野市の「越前おおの荒島の郷」や、北陸自動車道上り線南条サービスエリア(SA)に隣接し子どもたちが楽しめる広い遊び場を有する南越前町の「南えちぜん山海里」など、独自の戦略で人気を集める道の駅もある。
元来、道の駅は車で訪れた観光客が立ち寄って休憩したり、地域の土産物を買い求めたりする施設―との意味合いが強かった。ただ、大野市や南越前町のような特徴のある道の駅が全国に増える中、そこに行くこと自体を目的にする人も増えているという。若狭おばまが県内外の人たちの「目的地」に選ばれるために何が必要だろうか。
運営する「まちづくり小浜」の御子柴北斗代表取締役専務は「これまで取り組んできたオリジナルの商品開発や集客イベントを、地道に積み上げていく」と話す。方向性が間違っていないことは売り上げの伸びが示している。さらなる魅力発信へ次の一手を期待したい。
