
並立制の下での立憲民主党と公明党の最適な、少なくともよりマシな戦略は、国民民主党を巻き込みながら与党への大きな対抗勢力と体制を作ることでした。そうすることで、各党それぞれが独自の支持層を抱えながら持ち寄ることでより広範な支持ベースで小選挙区の選挙を戦えます。
特に立憲民主党は、非自民内の中央に位置しているため、共産党などの支持者からも集票できる有利なポジションでした。前回2024年衆院選で立憲民主党は、あまり高くないし伸びてもいない比例得票率であるにもかかわらず、小選挙区で議席を伸ばしました。これは国民民主党や共産党の支持層からも小選挙区で集票できたことが大でした。
しかし今回、そうした有利なポジションを捨てて旧与党の公明党と組んで新党を結成したため、立民だから投票してきた層と縁を切ったような感じになりました。
公明党自体は厚い固定票を持つ勢力ですが、同時に歴史的に一般からの忌避感の強い勢力です。特に高齢層では、これと同じ政党となることへの虚脱感、嫌悪感があったと考えられます。ああそっちに頼っちゃうのねと。
それでも、党の存在意義を説得的に示すことのできる政策対立軸を設定して挑めればよかったでしょう。しかし、耳目を集めた主な主張が食品消費税率ゼロという単発ものであり、しかもすぐに自民党に真似されて差異が消されました。相手が真似できないような主張で戦えなければ、その政党に存在意義はありません。
一部では原発、安保に関し「現実化」を評価する声もありました。そうした声の一部には同意しますが、政党の支持拡大戦略としては意味はありません。自民党との差別化にならず、そうした声の多くも自民党から中道支持に変えることはありません。いたずらに旧支持層を選別して排除するだけで、幹部政治家の自己満足度を高めただけです。
中道改革連合結成の一連の政局で感じたことは、昭和の政治のような支持者、有権者不在の判断です。自民党を権威主義的だと非難するのなら、「偉い人」が勝手に政策と政党名を決めて一部の支持者を事実上排除していくような自らの行動に、まず疑問を持つべきでしょう。
ただ幸いにして、選挙はまたすぐに行われます。中道改革連合が継続するかどうかはともかくとしても、それまでに今回の失敗を反省材料に戦略を練り直し、広範な支持を獲得できる政党を作る時間は十分にあるでしょう。ここ数回の選挙で明らかなように、結果が簡単に大きく変わるのが現代の日本の選挙ですからね。諦めないで頭を使い続けていくことが肝心です。
