独伊、EUの競争力低下に警鐘 規制緩和など具体策要求

写真はEUの旗。2025年7月、ベルギー・ブリュッセルで撮影。REUTERS/Yves Herman

[ベルリン 21日 ロイター] – ドイツとイタリアは、欧州連合(EU)が競争力回復に向けた改革で合意できなければ、米国や中国に後れを取るリスクがあると警告した。

来月12日にベルギーで開催される非公式首脳会議を前に、両国が共同で政策文書をまとめた。

ロイターが入手した文書によると、両国は官僚主義的な手続きの削減や、許認可の迅速化、欧州単一市場の強化など、抜本的な変革を要求。新たな競合国が世界的な影響力を強める中、欧州の生活水準と主権がかかっているとし「現状維持という選択肢はない。欧州は今こそ行動すべきだ」と訴えた。

非公式首脳会議では、ドイツのメルツ首相とイタリアのメローニ首相が企業支援や投資誘致に向けたEUの協調戦略を強く求める方針。同会議と3月の欧州理事会を活用して具体的な公約で合意するよう促している。

イタリア政府筋が匿名を条件に明らかにしたところによると、メローニ氏とメルツ氏は23日にローマで首脳会談を行う予定。会談では今回の政策文書が提示されるという。

政策文書は、国際通貨基金(IMF)のデータを基に、EU域内の障壁が物品貿易で最大44%、サービス貿易で110%超の域内関税に相当していると指摘。「規制負担の野心的な軽減」を求めた。

具体策として、承認手続きの迅速化や時代に合わない法律の定期的な廃止、新規制に対する厳格な審査などを提案している。

また、サービス、エネルギー、資本市場、デジタル産業の統合深化も提唱。汎欧州の証券取引所創設や、欧州企業がグローバルに競合できるよう合併ルールの見直しも求めた。

通商面では、インドやオーストラリア、アラブ首長国連邦(UAE)、東南アジア諸国連合(ASEAN)などとの自由貿易交渉の加速を促す一方、必要に応じて防衛的な通商手段を講じる準備があるとも警告した。

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