2026
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1月4日に報じられたところによると、宮城県は新年度から、生成AI(人工知能)の有償版アカウントを全職員に付与する方針を固めた。
県は業務の効率化を進め、県民サービスの向上につなげたい考えで、試算では職員1人あたり年間132時間分の業務削減につながるとしている。

目次

宮城県、生成AI有償版を全職員へ拡大

4日、宮城県は新年度から、生成AIの有償版アカウントを全職員向けに拡大し、約5,700アカウントを付与する方針だと報じられた。
昨年7月からは約700アカウントを導入していたが、利用範囲を広げて業務の効率化を進める。関連費用は新年度当初予算案に計上する。

県が導入するのは米Googleが提供する生成AIの有償版で、会議の文字起こしや資料・スライド作成、アイデア出しなどでの活用を想定する。
試算では職員1人あたり年間132時間分の業務削減につながるという。

生成AIの運用にあたって県はルール整備も進めてきた。2023年6月には、個人情報の入力禁止や著作権への留意を盛り込んだ使用時の原則を定めている。
2024年度からは、ChatGPTなどの無償版についても全職員の利用を認めていた。
さらに2024年9月には、GoogleとAI活用に関する協定を締結した。

全庁展開で問われる生成AIの運用設計

宮城県が生成AIを全職員に展開する意義は、行政DXを一部業務の効率化から全庁的な業務再設計へ引き上げる点にあるだろう。
定型作業をAIに委ねることで、人は調整や判断といった付加価値の高い業務に集中しやすくなると考えられる。
年間132時間削減という試算は、県民対応や政策検討に充てる時間を生む可能性を示しているといえる。

一方で、利用範囲が広がるほど情報管理や著作権配慮の徹底が難しくなる懸念も残る。ルールがあっても、現場運用で形骸化すればリスクは増幅しかねない。
加えて、生成AIの出力をどこまで判断材料として扱うのか曖昧な場合、責任の所在が不透明になる可能性も考えられる。

今後は、削減された時間が実際にどの業務へ再配分されたのかが評価軸になるだろう。
業務効率化にとどまらず、政策の質や県民サービスに変化が現れれば、生成AIは庁内インフラとして定着するとみられる。
職員教育やガバナンス整備が進めば、自治体活用は標準化へ向かう可能性が高そうだ。

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