公開日時 2026年01月03日 15:00更新日時 2026年01月03日 16:17
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羽黒山のスギ並木と石段=2025年12月、山形県鶴岡市
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共同通信
日本有数の修験道の聖地・羽黒山(山形県鶴岡市)の歴史や文化を守るため、出羽三山神社(同市)や地元自治会がつくる協議会が、2026年春から「入域協力金」を導入する。参拝者から1口500円を任意で募り、特別天然記念物に指定されているスギ並木の管理や文化財保護に充てる。関係者は「単なる観光地ではなく聖地として次世代に継承したい」と意気込む。
出羽三山は羽黒山、湯殿山、月山の総称で、日本古来の山岳信仰に基づき、神道や仏教、道教などが融合した修験道の霊場。羽黒山の山頂には出羽三山神社の「三神合祭殿」があり、2446段の石段が連なる参道の両脇に537本のスギ並木が広がる。
その厳かな光景はインバウンド(訪日客)人気も高く、山形県によると24年度に羽黒山を訪れた観光客数は約57万人に上る。
ただ、スギの樹齢は300年を超え、内部の空洞化などが激しい。17年には強風で倒れた木が参道脇にある社殿を直撃。その後も大雨で石段が崩れるなど被害が相次ぎ、管理や保全の費用確保が課題になっていた。
23年に神社や宿坊街の自治会などが協議会を設立。山梨、静岡両県が導入した富士山の入山料などを参考に、昨年9~11月、山門と山頂に協力金の受付場所を設け、実証実験をした。期間中の参拝者約6万7千人のうち約4割が協力し、約1500万円が集まったことから、今春からの本格導入を決めた。
協力金はスギの保全管理のほか、文化財の維持管理や山伏に関する文化保護、社殿の修復などに利用する考え。スギを管理する神社の森林技監伊藤信さん(63)は「実験では協力金導入に好意的な意見が多かった。文化や伝統の継承に自分も参画しているという意識を持ってもらえたら」と話した。