

皆さん、こんにちは!早いもので今年もあと一ヶ月となりました。今回はこの一年を振り返り、不動産市況とトピックスについてお話したいと思います。
賃貸マーケットの振り返り
図1
直近1年間における賃料相場につきまして、2024年第4四半期(2024年10~12月)~2025年第3四半期(2025年7~9月)を見てみますと、スタジオタイプ1864ドル~1945ドル、1BR2326ドル~2424ドル、2BR3036ドル~3154ドル、3BR3875ドル~4011ドルと、各タイプとも100~130ドル程度の変化幅となり、季節による価格変動あるもののほぼ横ばいの結果となりました(図1)。

図2
2023年~2025年の3年間の賃料相場の推移を見てみますと、コロナ明けの2023年第3四半期(2023年7~9月)に賃料相場が高騰した後は落ち着きを取り戻し、2023年以降から今までは大きな変化幅は無い状況が続いています(図2)。
売買マーケットの振り返り
図3
2025年1月~10月の毎月の平均不動産価格を見てみますと、2月から5月にかけて少しずつ増加していましたが、6月時の約110万ドルから8月の約102万ドルと不動産価格が下落。繁忙期であるはずの夏の不動産シーズンに価格が下がる動きは昨年に引き続く売買マーケットの不調を示しているといえます。9月、10月は105万ドル台に戻りましたが、10月から12月にかけてどのような結果になるか気になるところです。
案件数を見てみますと8月に1万件弱ほど減少したものの価格ほど大きな変動はありません。既存の売出し物件(リスティング物件)に加えて毎月新たなリスティングが加わるため、不動産取引はあるものの価格が低迷していることから買手市場のマーケットであることがうかがえます(図3)。
不動産トピックス1:建築基準(Building Code)の改正実施

2024年に決定したオンタリオ州建築基準(Ontario Building Code、OBC)が1月1日から有効となりました。主な改正点としては、新しい建築基準の導入、OBC構造の簡素化、MassTimberの活用強化、省エネ・サステナビリティの強化、バリアフリーの強化、安全性の強化などが挙げられます。これにより建築コストが上がる可能性がある一方で、デベロッパーにとって新しい建築技術やビジネスモデルのチャンスが増えるといわれています。
不動産トピックス2:トロント市による外国人不動産購入税の導入
今年1月1日よりトロント市はMunicipal Non-Resident Speculation Tax(MNRST)を施行。カナダ国籍や永住権(PR)を保有していない外国人(ワークパミットやスタディパミット保持者)等課税対象者は不動産購入金額の10%相当額を別途納税する必要が生じました。購入日より4年以内にPRを取得しPR取得後90日以内に還付申請手続きを行い、尚且つ還付申請時まで主たる住居として住んでいる場合には、還付申請を行うことができます。
不動産トピックス3:iPro Realtyスキャンダル
2025年8月、RECO(オンタリオ不動産協会)の検査により、同社の預かり金(デポジット)及び仲介手数料について1000万カナダドルを超える不足があったことが発覚。重大な義務違反としてRECOは同社に対して全17支店の閉鎖を命じました。調査によるとiProの元幹部が情託口座から資金を流用、不足を隠す試みがあったといいます。当時iProには2400名のエージェントが在籍、突如在籍事務所を失いました。
この閉鎖により信託口座が凍結され、預かり金(デポジット)を失った可能性のある顧客や、未払いの仲介手数料を受けるべきエージェントは保険クレームを提出する事態となっています。この事件により、RECO理事会はガバナンス体制、監査・調査体制、コンプライアンス体制の全面見直しを決定しました。
お詫びと訂正
2025年10月号にてお伝えしましたカナダ政府による住宅不動産購入禁止法(Prohibition on the Purchase of Residential Property by Non-Canadians Act)、並びにオンタリオ州政府による外国人不動産取得税(Non-Resident Speculation Tax, NRST)について誤記載がございました。お詫びと下記訂正申し上げます。
~カナダ外国人不動産購入について~
法施行後に一部改正があり、就労ビザ保持者は次の条件を満たしていれば購入可能です。
・購入時に有効期間が183日以上残存のワークパミットを保持している。
・購入は住宅物件1件のみ
~オンタリオの外国人不動産取得税について~
就労ビザと学生ビザ保持者への還付については、還付申請の期限が2025年3月までとなっているため、現時点で6世帯以下の物件を購入した場合原則的には還付対象とはなりません。
※弊社では、物件売買、賃貸、管理、不動産に関するコンサルティング等も承っております。お部屋探しに関する疑問・質問、ご要望についてお気軽にご相談ください。皆様ご自愛の上、どうぞ良い新年をお迎えください!


スターツコーポレーション 増田利加
Starts Realty Canada, Inc
