トップニュース「日本病」と「台湾病」が同時に韓国を直撃か? 韓国の専門家が警告「手を打たなければ日台韓で最大の敗者に」2025年6月、ソウル駅。(写真/吳辰君撮影)

2025年6月、ソウル駅。(写真/吳辰君撮影)

英誌『エコノミスト』はこのほど、台湾経済が抱える構造的な問題を分析した。長年にわたる低賃金の容認と通貨安政策が、輸入物価の上昇や賃金停滞を招き、国民の生活水準が十分に向上していないと指摘。こうした症状を同誌は「台湾病」と名付けた。

これに対し、韓国外国語大学の康埈榮(カン・ジュニョン)教授は、韓国がすでに日本の「失われた30年」に象徴される低成長局面の初期段階に立っており、ここに「台湾病」まで重なれば、韓国経済は深刻な複合危機に直面しかねないと警鐘を鳴らしている。

日台韓を比較:韓国経済は最下位に沈む可能性

半導体大手TSMCを軸に目覚ましい輸出成長を実現した台湾について、『エコノミスト』は輸出主導型経済がもたらす副作用にも言及した。台湾ドル安は輸出競争力の維持に寄与する一方、経常収支の黒字と外貨準備高が膨らむ中で、不動産価格が急騰し、国民の生活水準がかえって圧迫されているという。特に、食品や燃料を輸入に依存する台湾では、通貨の過小評価が、事実上、低所得層から輸出企業への富の移転を生む構造になっていると分析されている。

康埈榮教授は韓国紙『中央日報』に対し、「台湾は輸出競争力を保つため低賃金構造を長期にわたって維持してきたが、政策の歪みと輸入物価・住宅価格の部分的な連動により、住宅価格が急騰した」と指摘する。さらに、「通貨価値が抑えられているため、海外投資家から見れば台湾の不動産は相対的に割安となり、海外資金の流入が価格上昇を一段と加速させた」と述べた。物価比較サイトNUMBEOによると、台北の住宅価格所得比(PIR)は34.3倍に達し、これは東京(15.2倍)やソウル(26.1倍)を大きく上回る水準だ。

台湾の経済構造は《エコノミスト》によって批判されるものの、『中央日報』は、台湾政府が今年の経済成長率見通しを7.4%に引き上げ、2010年(10.3%)以来の高水準になると伝えている。1人当たりGDPで見ると、台湾はすでに昨年日本を上回り、今年はIMF予測で3万7827ドルと、韓国をも追い越す見通しだ。

韓国も「台湾病」にかかるのか

韓国のDB証券は最近、「通貨安がもたらす韓国の未来:台湾」という報告書を公表し、韓国が通貨安によって引き起こされる「台湾病」に対して免疫を持っていない可能性を指摘した。報告書は「通貨安は本質的に家計の購買力を犠牲にし、輸出企業を補助する行為だ」とした上で、「企業が利益を国内に再投資すれば成長につながるが、現状では生産拠点が米国へ移転している」と分析する。

報告書を執筆したDB証券の文洪哲(ムン・ホンチョル)研究員は、「為替問題自体も難題だが、より深刻なリスクは、関税交渉などを背景に企業が海外工場の新設を進め、輸出で得た利益が国内に還流しないことだ」と警告する。これにより、産業の空洞化が一段と進む恐れがあるという。また、韓国商工総会(SGI)の金天九(キム・チョング)研究委員も、「韓国は大卒初任給こそ高いが、良質な雇用は一部に限られている」と述べ、「台湾のように産業空洞化が進めば、質の高い雇用の機会はさらに減少する」と指摘している。

「日本病」も同時進行で迫る

韓国の学者たちは、「台湾病」に加え、低成長と高齢化が重なる「日本病」にも警戒感を強めている。台湾は今年、7%前後の高成長が見込まれる一方、韓国は日本と同様、1~2%台の低成長に留まっている。日本は1990年代初頭のバブル崩壊以降、約30年にわたり低成長とデフレに苦しみ、少子高齢化による労働人口減少と内需低迷が成長力を削ぎ、長期的な経済衰退に陥った。

康埈榮教授は、韓国はすでに日本の『失われた30年』に相当する低成長の初期段階に入ったとみる。その上で、「台湾のように輸出依存が強まり、内需基盤が弱体化すれば、韓国は複数の困難に直面する」と指摘する。日本には安定した内需市場があり、台湾には高成長という後ろ盾があるが、韓国はそのどちらも欠いており、状況はさらに悲惨になる懸念があるというのが同氏の見方だ。

西江大学の李潤洙(イ・ユンス)教授も、「台湾は外貨準備が潤沢で輸出も好調なため、為替を引き上げる余地があるが、韓国の為替問題は予期せぬ構造要因によるものであり、現状は台湾以上に厳しい」と分析する。李潤洙教授は、輸出競争力を維持しつつ、企業や工場を国内にとどめ、米国に雇用や生産を流出させない政策が不可欠だと強調する。政策の不確実性を下げることも重要だという。

康埈榮教授は最後に、「日本が『失われた30年』を耐え抜けたのは、基礎技術を持つ製造業が存在したからだ」と述べる。韓国は台湾と異なり、半導体だけでなく、造船、化学、鉄鋼といった分野にも競争力のある製造業基盤を持つ。政府が積極的に産業再編に関与し、半導体以外の伝統的製造業の競争力も維持することが、今後の鍵になると結論づけている。

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