イタリア銀行協会はECBのデジタルユーロ計画を支持する一方で、高額な導入コストの段階的負担を求め、金融安定への懸念も表明した。
イタリア銀行協会(ABI)は8日、欧州中央銀行(ECB)が推進するデジタルユーロ計画を支持する姿勢を示した。
一方で、導入に伴う高額なコストについては段階的な負担を求める考えも明らかにした。
デジタル主権への支持とコストへの懸念
ABIのマルコ・エリオ・ロッティグニ総支配人は、フィレンツェで行われた記者セミナーで「デジタルユーロはデジタル主権の実現を象徴するものであり、我々はこの構想を支持する」と述べた。
ECBが2年間の準備期間を経てプロジェクトを次のフェーズへ進める決定を下した直後のタイミングでの発言となった。
ECBのデジタルユーロ構想は、ユーロ圏の通貨主権を強化し、中央銀行発行通貨へのアクセスを維持することを目的としている。
また、欧州域外の決済事業者への依存軽減やステーブルコインの拡大抑制も狙いの一つだ。
ただし、ABIは設備投資に伴う多大な負担に警戒感を示している。
ロッティグニ氏は「銀行業界のコスト負担はすでに限界に近い」とし、導入にあたっては段階的なコスト分担が不可欠だと強調した。
金融安定性への対策と今後の課題
デジタルユーロ導入をめぐり、金融システムへの影響が懸念されている。
特にフランスやドイツの一部銀行は、市民がECB提供のウォレットを日常決済に利用すれば、銀行預金が流出する恐れがあると警鐘を鳴らしている。
こうした懸念を受け、ECBは金融安定性を確保するための設計上の対策を導入した。
具体的には、個人が保有できるデジタルユーロの上限を3000ユーロに制限し、過度な預金流出を防ぐ仕組みを採用。また、ウォレットは銀行口座と連携し、上限を超える支払いも可能とした。
デジタルユーロには利息が付与されず、現金と同様の性質を持つ点が特徴である。
これはビットコイン(BTC)のような価格変動型資産とは異なり、価値の安定性を重視する設計だ。
ECBの技術分析では、金融危機下でも日常決済における利用が金融安定を損なわないと結論付けられている。
ただし、プロジェクトは最大で10億ユーロ規模のインフラ投資を伴う見込みで、銀行セクターは依然としてコスト負担に慎重な姿勢を崩していない。
今後は、規制当局の承認と法制化の進展がスケジュールを左右する重要な要素となる見通しだ。

仮想通貨市場のトレンドを正確に捉え、ビットコインをはじめとする主要銘柄の動向を継続的に追っています。Web3.0領域に特化したコンテンツ制作に長年携わり、専門的なテーマでも読者にとってわかりやすく、有益な情報をお届けします。

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