トランプ米大統領は29日、合成麻薬フェンタニルを巡る中国の協力を理由に、米国が中国製品に課している関税について、引き下げる見通しを明らかにした。また中国の習近平国家主席との会談で、米エヌビディア製の画像処理半導体(GPU)「ブラックウェル」を巡り協議する見込みだとした。両首脳は30日に予定される会談で緊張緩和を目指している。

  トランプ氏は韓国へ向かう大統領専用機内で、中国が「フェンタニル問題についてわれわれを支援するだろうと考えているため、関税を引き下げる見込みだ」と記者団に語った。トランプ、習両氏は韓国慶州で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせて会談する予定だ。

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トランプ大統領

Photographer: Andrew Caballero-Reynolds/AFP/Getty Images

  トランプ氏は、中国がフェンタニル製造に不可欠な化学物質の輸出問題に対処するため「行動を取る」との見方を示し、自身と直接協力して対応するだろうと述べた。関税引き下げの程度についてさらなる詳細は明らかにしなかった。

  米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は28日、トランプ氏がフェンタニル問題を巡り中国製品に課している関税を、20%から10%へ引き下げる案を検討していると報じていた。  

  トランプ氏はまた、通商合意の一環として、中国にエヌビディア製ブラックウェルへのアクセスを付与することについてオープンな姿勢を示した。これは大きな譲歩に当たり、ワシントンの国家安全保障の強硬派を刺激する可能性がある。

  トランプ氏は「ブラックウェルについて話す予定だ」と述べ、このチップは超高性能だと称賛し、他国から現在入手できるものよりも数年先を行っていると強調した。

  エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)が最近、ブラックウェルをホワイトハウスの大統領執務室に持参し、自分に見せたとも明らかにした。

  代替取引プラットフォームのアジア時間29日の取引で、エヌビディアの株価は一時8.5%の上昇となった。

  中国は、米国向け輸出品への関税の負担を軽減したい考えだ。フェンタニル関連の関税が半分になれば、中国製品の大半に対する平均関税率は約45%に下がる見通し。これにより中国製品は、ここ数カ月関税引き下げの恩恵を受けている他の米貿易相手の製品との比較で競争力を高めることになる。

金総書記との会談可能性は低い

  このほかトランプ氏は29日に記者団に対し、アジア歴訪中に北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記と会談する可能性は低いとの見通しを示した。同氏は会談について「彼らも望んでいると思うし、私自身もそうだが、今回は中国にフォーカスしたい」と述べた。

  またトランプ氏は過去数カ月にわたり、たびたび3期目出馬の可能性をほのめかしてきたものの、米国憲法が自身の3期目の出馬を認めていないことは「極めて明確だ」と記者団に認めた。

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原題:Trump Expects Lower Fentanyl Tariff, Nvidia Talks With Xi (3)、Trump Downplays Chances of Kim Jong Un Meet During Asia Trip、Trump Says ‘Pretty Clear I’m Not Allowed to Run’ for Third Term(抜粋)

— 取材協力 Ryoji Uchida

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