今年で79回目を迎えた芸術の祭典「県展」。こうちeyeでは入賞作品や各部門の見どころをシリーズでお伝えします。6回目の今回は写真部門です。
県内最大の芸術の祭典「県展」は、79回目を迎えました。今年は8つの部門に1378人から2605点の応募があり、このうち1026点が入選以上となっています。
県立美術館では洋画・日本画・先端美術の3部門、かるぽーとでは彫刻、工芸、書道、写真、グラフィックデザインの5部門の入賞作品を展示しています。
写真部門には一般から1281点の応募がありました。かるぽーとの会場には特選など315作品と無鑑査や推薦などの11作品が展示されています。
県展無鑑査の久保田昌也さんに今年の作品の見どころを聞きました。
■県展無鑑査 久保田昌也さん
「非常に色鮮やかにすごく素晴らしい作品が多いと思う。特に高知県の特徴が出ているんじゃないか。野山の草花、田舎の行事、非常にお天気とかいろんなものに恵まれて、また色鮮やかに表現できてると思う」
今年、特選に選ばれたのは5点です。
初めに紹介するのは、宮川和之さんの作品「なびく丘」。風にそよぐ草花を映した一枚です。
■久保田昌也さん
「手前はちょっと暗い部分と奥の暗い部分とか、ちょうど上手くいって、非常に色鮮やかなお花が見えている。何より風を感じますね。陰影と引き算、写真の基本。作品に仕上がるものが撮れるということが素晴らしい」
こちらは、篠原真弥さんが山の中に生えるキヌガサタケを地面からあおるように撮った一枚「森の守り神」です。
■久保田昌也さん
「すごく短い魚眼レンズでぐっと迫って、この被写体の特徴をよく表現できてると思う。普通の広角レンズでしたら、ここまで表現できてない。決してレンズの特徴だけを活かしたわけではないけど、この被写体に対して、これはバッチリではないかなと思う」
こちらは東敬子さんが映した職人の男性。作品名は「ここらで一服」。休憩の時間を迎えて、喜ぶ顔が印象的です。
■久保田昌也さん
「この方(男性)とお話しながら、“笑う”、その特徴を上手い具合にとらえるということですね。それとどういった情景が、“手袋”、やはりこの雰囲気が出ていますよね。工場の道具、非常に表情が上手くとらえていると思う」
続いては、藤田威佳志さんの作品「限界集落の春」。4枚の写真で山間部の集落に訪れた春を表現しています。
■久保田昌也さん
「なかなか組み写真というのは、表現むずかしい。1枚1枚にやはり作品的価値が必要だと思う。それで集まることによって、タイトルとその表現ができる。上手くまとめられて、この梅一輪が効いておりますね」
最後は、德久靜男さんの作品「どちらが大物?」。「だるま朝日」を背景に大物を狙う釣り人たちの様子を超望遠レンズで映しています。
■久保田昌也さん
「写真の醍醐味。望遠レンズでなかなかピントを合わせるのは難しいけど、それをあえて県展に提出するのに、適切なサイズにトリミングされていると思う。トリミングしたことによって、本当に最大なる見せ場を上手く表現できています」
写真を本格的に始めようとする人に向けて久保田さんからアドバイスをいただきました。
■久保田昌也さん
「何に感動して、どうしてこれシャッターを押したのか。まず、そこが、一番自分が感動したものを作品づくりしてみる。(今のカメラは)たくさんいろんな機能が、携帯電話1つでもそうですよね。ただ、最後シャッターを押す時というのは、カメラマンの技術、ファインダーをのぞく所から。いろんな機能がたくさんあると思いますけど、あまりそういったものをまずやる前の段階。それが大事」
第79回県展は10月19日まで開かれていて、県立美術館で洋画・日本画・先端美術をかるぽーとで彫刻・工芸・書道・写真・グラフィックデザインを展示しています。
