石破茂首相は2025年7月23日、訪日した欧州連合(EU)のウルズラ・フォンデアライエン委員長、アントニオ・コスタ大統領と首相官邸で会談した。経済連携や防衛産業の協力、重要鉱物サプライチェーンの安定化などに向けて協力する「日・EU競争力アライアンス」の立ち上げで合意した。

2025年7月23日、記者会見に臨んだ石破茂首相(左)と欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長(写真=代表撮影/ロイター/アフロ)
レアアースの中国依存度、戦略的に削減
日・EU競争力アライアンスの下、日本とEUは戦略的パートナーとして経済成長と経済安全保障、そして脱炭素や重要鉱物の調達安定化で協力する。この日発表した共同宣言では、永久磁石に使う重要鉱物や太陽光パネルなどの製造サプライチェーンが中国などに集中している現状を「特定の国による支配」と表現し、経済安全保障のリスクをもたらすと指摘した。
これを踏まえ、重要鉱物の大規模生産国への依存度を戦略的に削減する方針を示した。特にレアアース(希土類)を含む重要鉱物と蓄電池材料に焦点を当て、企業と連携して供給先の多様化を図り、サプライチェーンの強じん性を高めるという。
脱炭素や循環経済の構築でも協力する。25年11月に開催予定の気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)の開催に向けて、地球の平均気温の上昇を1.5℃程度で抑える「1.5℃目標」を目指すことを日EUで確認した。脱炭素の推進で共同プログラムを検討するほか、廃棄物やリサイクル材の国際取引と、その取引を管理するデータの利用環境整備を促進することを強調した。
エネルギー分野では、23年開催のCOP28で採択した「30年までに再生可能エネルギー容量を世界全体で3倍にし、世界のエネルギー効率改善率の年間平均を2倍にする」との目標を両者で再確認した。低炭素エネルギー技術の開発と普及でも協力を強化し、水素の需要創出とサプライチェーンの構築に取り組むという。
一方で、足元のエネルギー価格高騰に対処するため、天然ガスを引き続き利用していくことを支持し、供給の安全保障を高めるために投資を支援する方針も明らかにした。
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