トランプ米大統領が4月に発表した上乗せ関税の一時停止期限が9日に迫る中で、米国の主要貿易相手国・地域は合意の最終決着や期限延長の交渉を急いでいる。トランプ氏は12カ国・地域に対し、7日に新たな関税率を書簡で通知すると述べた。

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  トランプ氏は米独立記念日の週末に記者団に対し、「一部の書簡に署名した。7日に送付されることになるだろう。恐らく12通だ」と表明。相手によって「金額や関税は異なり、内容もやや違う」と続けた。

  通知先の具体的な相手を問われると、「その発表は7日に行う」とトランプ氏は答えた。

  この発言は、期限の3日前という段階でも交渉が流動的で合意成立が見通しづらい様子を示唆する。

  トランプ氏はこれより先、通知は4日に始めると述べていた。上乗せ関税の賦課開始予定は8月1日。米国は4日が祝日のため週末は3連休だが、米当局者は日本や韓国、欧州連合(EU)、インド、ベトナムなどとの交渉に追われている。

  交渉におけるトランプ氏の特徴の一つは、交渉が重要な局面に入ると一方的に脅しをかけることだ。このため同氏が言及した書簡は事実なのか、譲歩をいまだ渋っている貿易相手を不安に陥れる意図なのかは定かではない。

  トランプ氏は2日にベトナムとの合意を発表した。だが、同国外務省によると、交渉チームは米国側と詳細を巡る詰めの作業を依然続けている。

  インドとの暫定合意も成立が見込まれているが、過去数日間にインドは態度を硬化させたことを示唆。自動車・自動車部品への米国の関税引き上げに対応し、一部の米製品に関税を課す可能性をちらつかせ始めた。

  自動車関税を懸念しているのは韓国も同様だ。韓国は関税引き上げを回避しようと、期限延長を目指す土壇場での交渉を米当局者と続けている。

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  トランプ氏看板政策の大型減税・歳出法が成立し、米株式市場が過去最高値付近にある中で、新たな貿易障壁が投資家の懸念を再燃させる恐れがある。

  米企業にとっては外国から品物を調達する際のコストが増加するほか、EUなど輸出先の報復措置に遭う可能性もある。

  EU加盟国は過去1週間の交渉状況について4日に説明を受け、事務レベルの大筋合意が近いと報告された。

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  一方、石破茂首相はあらゆるシナリオに備えていると表明した。NHKとフジテレビの党首討論番組に出演した石破氏は安易な妥協はしないと明言し、「あらゆる場合に」備えつつ国益を守っていく姿勢を示した。

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  カンボジア政府は4日の声明で米国と大枠で合意したと明らかにし、近く内容を公表すると説明した。米国がカンボジアに対して打ち出した上乗せ関税は49%で、最も高い部類に入っていた。東南アジアは米国に繊維製品や靴を大規模に輸出している。

原題:US Trade Partners Race for Deals as Trump Readies Tariff Notices(抜粋)

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