2025/07/03

和歌山市、和歌山駅まち空間活性化 周辺街区再開発や東西道線強化等検討



和歌山駅まち空間活性化

 和歌山市は、和歌山県及び西日本旅客鉄道との3者共同により和歌山の玄関口に相応しい魅力あふれる駅まち空間としての将来像と再整備のあり方の検討を進め、目指すべき目標となる「和歌山駅まち空間活性化基本構想」を策定した。今後は和歌山駅まち空間活性化の実現にむけて、わかちか広場の活用可能性検討、けやき大通りをはじめとした周辺道路空間の再編、周辺街区における再開発の検討(商業・業務・宿泊機能等の導入)、駅舎/東西の動線強化(既存通路や東西を結ぶ通路の整備等)の点について引き続き検討を進める。

 和歌山駅は、約100年前に国鉄「東和歌山駅」として現在の和歌山市美園町に開業した。現在では県内の主要拠点に通じる、1日平均約3万人が乗降するターミナル駅。しかし、居住人口の減少や高齢化の進展、商店街における空き店舗の増加、郊外への大型店の進出など、中心市街地をとりまく状況は益々厳しくなっており、和歌山駅周辺ではさらなる賑わい創出や利便性の向上への取り組みが求められている。このような背景のもと、和歌山県・和歌山市・西日本旅客鉄道の共同で「和歌山駅まち空間活性化会議」を設立し、和歌山駅及びその周辺を対象として和歌山の玄関口に相応しい再整備のあり方を検討し、事業の関係者が今後の計画・設計・施工・運営管理等の各段階において目指すべき共通の目標となる「和歌山駅まち空間活性化基本構想」を策定した。

 和歌山駅まち空間活性化に向けた方針は、和歌山駅と様々な事業や活動が展開される既存の「まち」や安心・安全な市民の「暮らし」、和歌山県/市内の観光・文化・産業や多様なプレイヤーといった「魅力」との連携の視点が重要になり、基本構想では和歌山駅まち空間活性化に向けた3つのくくるを基本方針として掲げる。▽駅と「まち」をくくる=まちなか回遊性の向上、まちづくりの担い手形成▽駅と「暮らし」をくくる=まちなか居住の推進、防災機能の強化▽駅と「魅力」をくくる=「玄関口」としての駅まち空間形成。

 「わえきまち」を形づくるアイデアは▼人々の居場所や活動の舞台となる空間の創出=①活動と移動の拠点となる駅前広場〈訪れたすべての人が居心地良く過ごすことができ、市民のみならず来街者もあつまる「活動の拠点」を目指す。駅とまちを繋ぐ「移動の拠点」を目指す。駅ビル施設や既存沿道施設、周辺街区などとの敷地境界を越えたシームレスな活用が可能となる、一体的な空間デザインを目指す〉②日常やイベント、災害時など、どんな時も人々を支える柔軟性の高い空間〈ベンチや木陰など一人でも過ごせる場所や広場などの空間をつくる。災害時の一時的な避難場所として機能するための設備を備え、駅、広場、まちが連携した防災拠点〉③ナイトタイムエコノミーを活性化する設え〈駅まち空間全体で魅力的な夜間景観をつくる。安全に過ごすことができる照明計画〉▼まちと繋がる空間構成=①駅東西のつながり強化〈既存通路や東西を結ぶ通路の整備等による歩行者動線、地下通路の整備による自転車動線の確保により、東西の移動円滑化と連携強化を検討。〈東西を結ぶ通路は十分な幅員を確保したバリアフリーな動線で、周辺の眺望を楽しむことができる開かれた空間。地下通路はけやき大通りと東口駅前広場から自転車で直接乗り入れが可能な動線として、明るく安全な空間〉②けやき大通りと連携した交通ネットワークの強化・再編〈次世代モビリティのためのモビリティレーンを配置することを検討。けやき大通り周辺の学校や文化施設、商業施設等と駅まち空間をスムーズにつなぐ道路空間の再構築〉▼和歌山駅に隣接するエリアとの連携=駅まち空間に隣接した街区の再編や道路空間の整備、交通のあり方を検討。商業・業務・宿泊機能等を導入する再開発、低未利用地の積極的な活用、老朽化した建物の建替えやリノベーションなどを促し、新たな賑わいの創出▼和歌山の玄関口の顔づくり=①玄関口に相応しい象徴的な駅まちデザイン〈一体的な大屋根などにより、東西の繋がりを創出。和歌山の資産を想起させるデザインや紀州材など地場の材料の活用〉②和歌山らしさを感じられる眺望の確保〈眺望など、和歌山の自然を感じられる視点場をつくる。東西の軸線上にけやき大通りを見通すことができる場所もつくる〉③おもてなし空間としての利便性の向上〈バリアフリー化を推進し、雨に濡れない動線や誰でも利用しやすい公衆トイレなど、公共空間の利便性・快適性の向上を目指す。和歌山駅周辺や中心市街地のまちなか情報、和歌山市内から県域までの様々な情報発信を担う観光案内の拠点を創出〉▼将来を見据えた交通空間の再編=①分かりやすく快適な交通機能配置〈西口にはまちなか回遊を、東口には県内観光を見据えた交通機能を適切に配置。西口はダブルロータリー化〉②次世代モビリティ導入を見据えた空間の創出〈モビリティネットワークの再編を見据えた空間整備。駅まち空間の整備と合わせ、既存バスの一部を代替する定時性の高い次世代モビリティの導入可能性などを検討〉③自転車利用を促進する施設整備〈東西を結ぶ地下通路に自転車レーンを整備。日常的に市民が利用する駐輪施設のほか、シェアサイクルのポートを適切に配置。自転車のメンテナンス施設やサイクリングコースの案内施設などを設ける〉▼まちの魅力・暮らしを向上させる拠点=駅まち空間全体で面的なグリーンインフラを整備し、防災・減災力を向上。緑陰や樹木の蒸散作用により、夏でも居心地のよい、快適な屋外空間をつくる。

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