大阪・茨木市の市街地にある大学のキャンパスにカメラを設置したところ、府の絶滅危惧種に指定されているキツネなど、都市部では珍しい野生動物が複数、生息していることが立命館大学の研究チームの調査でわかりました。
この調査は立命館大学の研究チームがことし1月からの2か月間、茨木市のキャンパス内で植樹などで緑化したエリアに複数台のカメラを設置して行い、都市部にどのような野生生物が暮らしているのか調べました。
その結果、大阪府の絶滅危惧種に指定されているキツネなど、都市部での生息が珍しい動物が夜間に確認できたということです。
このほかにもタヌキ、アライグマ、テン、それにハクビシンなどの動物が映り込んでいたということです。
また、映像の中には、設置されたカメラをのぞき込むキツネの様子や、カメラの前を歩き回るテンの様子などもとらえられていました。
大学のキャンパスはJR茨木駅から徒歩7分ほどの市街地にあり、多くの野生動物が確認されたことに研究者や地域住民も驚いているということです。
調査を行った立命館大学の桜井良准教授は「都市部でも緑化を進めることで多様な野生動物が生息できることがわかった。ただ、アライグマなどの外来種も確認されていて、その対策も考えないといけない」と話していました。
そのうえで、「キツネなどを見かけても不用意に近寄らないでほしい」と呼びかけています。
【大阪府内全域でも野生動物確認】
大阪府立環境農林水産総合研究所では、2016年から大阪府内におよそ170台のカメラを設置し、野生動物の生態調査を行っています。
幸田良介主任研究員によりますと、野生のキツネの個体は、大阪北部で多く確認され、大阪南部に設置したカメラでも撮影されているということです。
生息域は府内全域で、戦後、減少傾向だった個体数も回復傾向にあるのではないかと指摘しています。
キツネのほかにも、3年前(2022年)には泉佐野市で府内で初めて国の特別天然記念物、ニホンカモシカが撮影されました。
ニホンカモシカは、紀伊山地から移動してきたとみられています。
近年、府内全域で野生動物が増加している可能性があるということです。
また、北アメリカ原産の外来種のアライグマは、2000年ごろに初めて府内で捕獲されて以降、急激に生息数が増加していて、大阪市内を含むほぼすべての地点のカメラで確認されました。
アライグマは手が器用で畑のスイカなどを食べてしまうこともあり、生息数の増加に伴って農作物への被害が多発しているということです。
野生動物の生息域が拡大している背景としては、▼都市部でペットとして飼われていた動物が捨てられたり、▼地域の人口が減って野生動物が住める緑地が広がったりしていることなどが考えられるということです。
一方、野生動物は凶暴な性格をしていたり、病気をうつしたりする可能性があることから、不用意に近づかないよう呼びかけています。
また、5月ごろは多くの動物が子どもを産む時期で、ふだんとは異なる場所に巣をつくって遭遇することもあり、刺激しないよう注意が必要だということです。
