シリーズ:旧車の棲むデザイナーズガレージ
東京都 M氏邸【1】
ビルトインガレージのある家を新築しようと考えた時、多くのクルマ好きたちは、フラットな土地に家を建てることを前提として、イメージを膨らませることが多いはず。しかしここで紹介するM氏のガレージを見たら、傾斜地に建てるのも悪くないかもしれない、と新たなアイデアが湧く読者もいるはずだ。
【画像 21枚】ガレージに面している道は、写真の右から左に向かって下り坂になっているのが分かる。この地形が、低層住居専用地域の高さ制限をクリアするポイントとなった
東京都23区西部の閑静な住宅街にあるM氏の自宅は、地上2階・地下1階という造り。なぜ地上3階建てではないのかといえば、地形の関係で登記上ガレージは「地下1階」扱いとなり、これがガレージを設けるうえでポイントにもなった。M氏邸があるエリアは、第一種低層住居専用地域となっていた。1階をガレージとして2階と3階を住居とした場合、高さ制限に引っかかる問題もあった。
角地に建つM氏邸は正面と裏側がそれぞれ道路に面している。正面側はフラットな道だが、裏のガレージに面している道は正面に対して少し低く、さらに緩い坂になっている。こういった地形の場合、フラットな道路に面するところが基準となって1階扱いとなり、少し低いガレージ側は地階扱いとなる。M氏は道路に高低差があるところであれば、わざわざ地下を掘る必要がなく、コストが削減できると思いつき、今回の場所にたどり着いた。
地下1階のガレージを形づくる部分は、頑丈な鉄筋コンクリート構造となっている。道路の高低差と高さ制限の関係で、ガレージ内の天井高は2mほどになってしまったが、立って歩き回るにはまったく問題ない。また、ガレージは家全体の土台の役割も果たしている。上の母屋は木造で建てられているが、耐震性などの面でも安心して住めるようになっている。
Nostalgic Hero 2021年8月号 vol.206
(記事中の内容は掲載当時のもの主とし、一部加筆したものです)
Nostalgic Hero 編集部
