米アップルは今年、米国国内で190億個余りの半導体を調達する計画だ。スマートフォン「iPhone」生産を巡り中国への依存を段階的に減らし、インドを新たな製造拠点として位置付けるサプライチェーン再編の一環。
ティム・クック最高経営責任者(CEO)は1日、半導体調達の軸足をアリゾナ州で工場を拡張している台湾積体電路製造(TSMC)に一段とシフトさせると1-3月(第2四半期)決算発表後の電話会見で説明した。
米市場向けのiPhoneについては、将来的に大半をインドで生産する計画をあらためて確認し、トランプ政権が高関税を課している中国での製造を減らす考えを示した。電話会見では、中国とほぼ同じ回数インドが触れられ、その重要性の高まりがうかがえる。

アップルストア(サンフランシスコ)
Photographer: David Paul Morris/Bloomberg
クック氏は家電輸入への関税がアップルのビジネスに与える影響についての質問には明言を避け、「6月より先の予測は非常に難しい」と述べるにとどめた。
ケバン・パレク最高財務責任者(CFO)によると、今回の見通しは現在の関税率と政策が続き、世界経済の状況が悪化しないという前提に基づいている。
クック氏はアップルの「サプライチェーンは非常に複雑で、常にリスクがある」と指摘。「全てを1カ所に集約することは大きなリスクを伴うと以前学んだ。サプライチェーン全体ではないが、一部については新たな供給源を開拓してきた」と話した。
同社に対し、トランプ大統領は米国内で製品を製造するよう求めているが、近い将来に大きな進展がある公算は小さく、クック氏は半導体などの部品を米国内で調達する方針を強調した。同氏によると、アップルは今年、TSMCがアリゾナ州に新設した工場から数千万個の先端プロセッサーを調達する。
ブルームバーグ・ニュースは先に、この工場ではすでに低価格帯のタブレット端末「iPad」やスマートウオッチ「Apple Watch」向けのプロセッサー生産が始まっていると報道。アップルとTSMCは、米国に先端製造業を誘致するというホワイトハウスの方針に沿って米国内での大規模投資を表明している。
クック氏はiPhoneのディスプレー用ガラスを米国内から調達しているとも述べたが、コーニングから買い入れている可能性が高い。
アップルは今年に入り、今後4年で米国に5000億ドル(約73兆円)を投じる方針を発表。テキサス州の工場で人工知能(AI)サーバーを製造する計画などが示されている。

原題:Apple to Source Billions of US-Made Chips in Supply Chain Shift (抜粋)
