著名エコノミストのヌリエル・ルービニ氏がウォール街に新たな警告を発した。トランプ大統領の関税政策が引き起こす貿易摩擦の影響を和らげるため、米金融当局が利下げの動きを強めるとの観測は控えるべきだとトレーダーに注意を促した。
2008年の金融危機を事前に言い当てたことで一躍名をはせたルービニ氏は今回、米経済がリセッション(景気後退)を回避すると予想する一方、関税を巡る政策闘争が沈静化した後、米政策金利が年内は据え置かれるとの見方を示した。
懲罰的な関税が世界的なリセッションを招くとの懸念から株式時価総額は3営業日で5兆ドル(731兆円)消失した。ルービニ氏はこれを受け、市場動揺の圧力に先に屈するのはトランプ大統領だと述べ、米金融当局はインフレ対策の責務に専念し続けると予想。最近の世界的混乱の中で信用市場の相対的な回復力を考慮すると、金融当局は政策に慎重になる理由があると付け加えた。
ルービニ氏は電話インタビューで「トランプ・プットとパウエル・プットの間で我慢比べが行われている」と指摘。「しかし、パウエル・プットの行使価格はトランプ・プットの行使価格よりも低くなるだろう。つまり、パウエル氏はトランプ氏が折れるまで待つということだ」と述べた。
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は先週、新たな関税の経済への影響は想定よりもかなり大きくなる可能性が高く、その結果、経済成長は減速し、インフレ率は上昇すると述べた。トレーダーの間では今週、0.25ポイントの米利下げが年内に3-5回あるとの見方が浮上。次回の政策会合を待たずに緊急利下げが実施される可能性さえ織り込まれ始めた。
原題:Roubini Warns Fed Won’t Bail Trump Out in Game of Policy Chicken(抜粋)
