動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」を運営する字節跳動(バイトダンス)が、欧州ユーザーのデータを中国に違法に送ったとして、アイルランドのデータ保護委員会(DPC)から、今月末までに5億ユーロ超(約810億円)の制裁金を課されることになった。事情に詳しい関係者が明かした。
匿名を希望する複数の関係者によると、TikTokは、欧州連合の一般データ保護規則(GDPR)に違反し、エンジニアがアクセスできる情報を中国に送ったとして、長く調査を受けていた。
制裁金は、DPCによるものとしては、フェイスブックのメタへの12億ユーロ、アマゾンに対する7億4600万ユーロに次ぎ、3番目に高額となる見通しという。関係者は、制裁金の正確な金額と時期は未定で、変わる可能性もあるとしている。

動画共有アプリTikTok
Photographer: Michael M. Santiago/Getty Images
TikTokからのコメントは今のところ得られていない。DPCはコメントを拒否した。GDPRの下では、外国企業がEUに持つ拠点国の機関が主導して規則の施行にあたる。TikTokはアイルランドの裁判所に、この決定を不服として訴えることができる。
DPCの決定の一環として、同規制当局はTikTokに対し、定められた期間内に中国での違法なデータ処理を停止するよう命じる。中国を巡っては、長年にわたり、同国の大規模な監視体制が基本的人権を侵害しているとの懸念がある。
TikTokは2023年9月にも、子供の個人情報の取り扱いに関する不備の疑いがあるとして、3億4500万ユーロの制裁金を科された。今回のTikTokに対する調査は2021年に始まり、当時のDPCトップのヘレン・ディクソン氏は、EU内のユーザーデータが「中国のメンテナンス、AIエンジニア」によって閲覧される可能性があると主張した。
原題:TikTok Faces Fine Over €500 Million for EU Data Sent to China(抜粋)
