大阪府が災害を想定して備蓄している毛布88万枚のうち、約6万枚が未使用のまま昨年度に更新期限を迎え、府は民間業者などに全て無償譲渡した。当初は廃棄予定だったが、多額の費用がかかることから方針転換した。期限切れ毛布は今後も大量に出る見通しで、活用策が課題となっている。(山本貴広)災害用毛布が詰められた段ボール箱。更新期限が切れた後の有効活用が課題となっている(大阪府八尾市の広域防災拠点で)災害用毛布が詰められた段ボール箱。更新期限が切れた後の有効活用が課題となっている(大阪府八尾市の広域防災拠点で)

 府は八尾、吹田、泉南各市にある広域防災拠点のうち、最大規模の八尾市の拠点ができた2003年以降に備蓄を本格化し、様々な物資を分散保管している。毛布は薄手、難燃性で、南海トラフ地震の想定避難者数に合わせた計88万枚を真空パックで圧縮し、段ボール箱に入れている。大阪府が備蓄している災害用毛布大阪府が備蓄している災害用毛布 物資のうち、飲食料は賞味・消費期限が切れる前にフードバンクに寄付するなどして更新してきたが、その他は手つかずだった。約5年前、一部の毛布が経年劣化で不快な臭いが生じていたのを機に府は22年3月、物資の更新計画を定めた。 災害用毛布の耐用期限は一般的に10~15年とされるが、府は原則10年で洗浄や袋の詰め替えをしてさらに10年使い、計20年とした。これにより、03年度に購入した6万490枚が23年度に初めて更新対象となった。 府は23年度の当初予算案で廃棄費用4600万円を計上したが、「もったいないし、金もかかる」(府幹部)との声が上がり、引き取り先を探した。1月までに物品や壁面の保護で毛布を使う引っ越し業者など約30の企業・団体へ全て無償譲渡した。今後、同数の新品を約1億2000万円で購入する。 今年度末には、04年度に調達した5万7360枚が更新期限を迎えるが、引き取り先は白紙だ。25、26年度も同規模の更新が続く。 物資の中でもトイレットペーパーやマスクといった消耗品は府の施設などで使えるが、毛布は使い道が乏しい。府は「簡単ではないが、引き取り先を探す努力を続けたい」としている。オークションや長期利用も 国は毛布を「被災者の命と生活環境に不可欠な物資」と位置付け、自治体に備蓄を促している。だが、使う機会がないまま更新期限を迎えたり、劣化したりするケースは避けられず、自治体が対応を迫られている。 広島県は2022年、期限(10年)を迎えた3080枚を官公庁オークションにかけ、34万円で売却した。京都府は14年以降、包装の劣化が目立つ1万2000枚を廃棄した。最近では定期的な洗浄など、長期利用の取り組みを進めている。 備蓄食料については国が18年、期限切れの前にフードバンクなどへの寄付を促す通知を自治体に出したが、その他の物資については通知を出していない。食品のように厳密な期限設定がないことなどが理由で、内閣府は「自治体に判断を委ねているが、有効活用が望ましい」としている。

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