
好調な決算をアピールする千葉銀行の米本努頭取=いずれも千葉市で
千葉県内に本店を置く千葉、京葉、千葉興業の3銀行の2026年3月期決算(単体)が出そろった。各行とも、金利上昇の追い風を受け、主に貸出金利息が伸びた。一方、中東情勢の悪化による影響で、原油高による材料高騰などを心配する声が取引先に広がっている。各行ともに企業の支援に備えた動きがある。(長屋文太、小川直人)
千葉銀の当期純利益は、前年比181億円増の923億円(24・3%増)となり、4年連続で過去最高を更新した。資金運用収益から資金調達費用を引いた資金利益が412億円伸び、1980億円。貸出金の利回り要因以外にも、設備投資や住宅ローンが好調だった。本業のもうけを示すコア業務純益は、351億円増の1385億円だった。
京葉銀は、当期純利益が同31億円増の158億円(24・9%増)で、3年連続の増益で過去最高益を記録した。人件費の増加や新勘定系システムの物件費で経費が19億円増えたものの、コア業務純益は209億円(23・2%増)を確保した。また、金利上昇を受け、貸出金利息などが伸びて資金利益は56億円増の549億円。
千葉興業銀は、当期純利益が同1億円増の86億円(1・4%増)だった。資金利益が34億円増え、324億円。コア業務純益は15億円増え、137億円。貸出金利息が増えたことに加え、中小企業向けの貸出金が伸びた。
◆千葉銀・米本頭取「材料仕入れに影響」
千葉銀によると、1億円以上の借り入れがある約7千の取引先企業に毎月尋ねているアンケートで、約4割が中東情勢の影響が直接的、または間接的に「ある」と答えた。45社は金融支援が必要と答え、約300社は、当面は不要だが、この先必要になる可能性があると回答。米本努頭取は、製造や建設、塗装業などを念頭に「材料仕入れなどで影響が出ている。丁寧に対応したい」と述べた。
◆京葉銀・藤田頭取「返済・融資の相談に」
京葉銀の藤田剛頭取は「長引くようなら影響も大きくなる」と心配する。同行が3月下旬に設置した専用の相談窓口に、これまで十数件の相談があった。「影響を受けやすい顧客には、こちらから出向いて状況をモニタリングする。今のうちに融資や返済の相談に応じて支援していきたい」と話した。
◆千葉興銀・梅田頭取「経営支援しっかり」
千葉興業銀の梅田仁司頭取は、具体的な相談事例はまだないものの、ヒアリングの結果、取引先の7、8割から影響を懸念する声が上がっていると明かした。「一番の懸案事項。取引先と(状況を)共有しながら経営支援をしっかりやっていく」と強調した。
東京商工リサーチ千葉支店によると、県内企業のうち、原油価格が1バレル=100ドルを超える状況が続くと、昨年同期(4月)と比べてコスト負担が20%以上増えると回答したのは大企業で62%、中小企業で59%に上り、ともに半数を超えた。調査は3月末〜4月上旬に全国で実施。そのうち県内162社の回答を同支店が集計し、12日に公表した。
原油高騰の長期化にどう対応するかを各企業に聞くと、「商品やサービスの値上げを行う」が56%でトップだった。「コスト削減で対応する」が37%と続く。既に「値上げした」と答えたのは、全体の12%のみ。早期の価格転嫁の難しさも浮き彫りになった。
同支店の担当者は「材料の調達が難しくなっているという声は既に多く聞く。値上げ前に、製品が製造できなくなる状況が出てくる可能性もある」と懸念する。
