4月29日まで、応援サービス「マクアケ」で応援購入プロジェクトを実施した。「マクアケ」限定価格はセットアップで14万250円、ジャケット単品で8万4150円、スラックス単品で5万6100円。モデルは小田大空さん本人が務めた

「生まれるべきものが生まれ、広がるべきものが広がり、残るべきものが残る世界の実現」をビジョンに掲げるマクアケによる、“アタラシイものや体験の応援購入サービス”の「マクアケ」には、伝統技術を現代的なアイテムに活用したプロジェクトが数多い。この連載では、全国各地の匠の技に注目。実行者の思いとともに、匠の技をどう活用し、どう訴求しているのかを考える。目指すは、47都道府県の匠の技の探訪だ。今回は、奈良県を訪れた。

今回の技術は…
“天然灰汁発酵建て”による藍染め

「藍は今のファッションシーンにおいても最高にかっこよくて、最高にリアルな色」─そう歯切れよく語り始めるのは、奈良県奈良市を拠点とするファクトリーブランド「インディゴ クラシック」の小田大空さんです。“農家兼藍染職人”として、藍の栽培からすくも(天然の藍染め染料)製造・染色・デザインまでを手掛けています。

小田さんが藍染めに出合ったのは大学生の頃。母親に誘われた体験教室がこの道に入るきっかけでした。その時の楽しさが忘れられず、卒業後すぐに就職することも考えましたが、藍染め工房は家族で細々と経営していることが多く職探しは難航。一度オーダースーツ会社に入社し、シルエット設計などを学んだ後、思い切って藍染めの本場・徳島県板野町に地域おこし協力隊として工房に弟子入りしました。約2年半修業を積みました。

独立したのは2022年のこと。「徳島と比べ、(競合となる)染め屋が少なく、主要都市からのアクセスもいい」と地元の奈良県に工房を構えました。一方「奈良には藍染めに詳しい人もいなければ、機械の貸し借りもできない。(独立は)世間知らずだったからできた」とはにかむ小田さん。設備投資から始まった独立への道は、平坦ではありませんでした。それでもアパレルブランドの染色OEMから始まった事業は、24年にはオリジナル商品の開発まで広がります。

奈良県奈良市を拠点とするファクトリーブランド「インディゴ クラシック」。小田大空さんが2022年に設立した。現在のメンバーは、小田さんを含め4人。「農家兼藍染職人」として、藍の栽培から製造・染色・デザイン・縫製まで全工程を国内一貫で手掛ける

今回「マクアケ」で発表したのは、そんなオリジナル商品である天然藍染めのコーデュロイセットアップ“クロード”。プロジェクト名に「一色のために600日」と掲げた通り、藍の種まきからすくもとして染められるようになるまでの日数はおよそ600日。今回使用したのも、23〜24年に種まきしたものです。その後、江戸時代から続く“天然灰汁発酵建て”で染色。天然染料のみを使用するため、染色後の液体は畑へ還元できる、循環型の手法です。

「ファッションとしてかっこいいこと。一目で藍染めと分かること。でも工芸くさくないこと。(このプロダクトは)この3つの条件を持っている」と自信をにじませる小田さん。「ストーリーはあるけど、リアリティーはないプロダクト」にならないよう、こだわりをちりばめました。例えば、コーデュロイを選んだのは、毛の流れや凹凸が藍の色の表情を美しく引き出せると確信したから。オーダースーツ会社で身に付けたパターン技術を生かし、上下のバランスにもとことんこだわりました。最大の特徴は、腰回りにゆとりをもたらす一方、ともすれば広がり過ぎてやぼったく見えてしまうインタックの2プリーツ。小田さんも「タック本来の役割とシルエットの美しさの両立がとても難しかった」と振り返ります。

今後は、実店舗のオープンや、裾上げなどカスタマイズサービスの拡充を視野に入れているそう。「今はTシャツが主力だが、もっと秋冬商品にも挑戦したい。今回発表したセットアップは春夏向けにまたデザインできたら」。

“クロード”の4つのポイント

1.江戸時代から続く
“天然灰汁発酵建て”

薬品を一切使わない、江戸時代に確立した伝統技法“天然灰汁発酵建て”で藍染めします。現在、この手法でクライアントワークまで請け負える工房は全国に4〜5カ所しかなく、「インディゴ クラシック」はその一つです。

2.4500平方メートルの自社農園で
すくも作り

市場にはほぼ流通していない天然染料のすくもを、自社農地で栽培しています。購入先がほぼ存在しないため、自ら農家となる道を選びました。種まきから染色に使えるようになるまで、約600日を要するといいます。

3.産廃ゼロの
完全循環型プロセス

天然染料のみを使用するため、染色後の液体は全て畑へ還元でき、産業廃棄物が一切発生しません。「畑から採り、畑に戻す」という完全な循環が、「インディゴ クラシック」が行う染色の最大の特徴であり誇りでもあります。

4.コーデュロイセットアップ
という現代の形

藍色の美しさを最大限に表現する素材として、コーデュロイを選びました。毛並みの凹凸が複雑な色の表情を生みます。オーダースーツ業界で身に付けたシルエット設計の知見を生かし、上下が美しくそろうセットアップとして完成させました。

奈良発!
応援購入が高額なプロジェクト3選

“アタラシイものや体験の応援購入サービス”の「マクアケ」で大きな反響が寄せられた奈良県発のプロジェクトを3つ紹介する。

PICK UP 1 : 応援購入総額1712万7324円

【UHA味覚糖が継承】カリッ、ホロッと溶ける!
イコマ製菓本舗「レインボーラムネ」

奈良県生駒市のイコマ製菓本舗が1990年代に発売した“レインボーラムネ”は、カリッとした食感とホロッと溶ける口どけが特徴。職人技の継承と量産化という課題を抱えていた同社がUHA味覚糖をパートナーに選出。100回を超える試作の末、その味と食感を再現した。

PICK UP 2 : 応援購入総額475万8500円

芳醇な香りに癒される。
INTOVENTボトル×橘花ジンが彩る、プレミアムな時間。

大和蒸溜所が育てたハーブをふんだんに使用した限定クラフトジン“橘花KIKKA GIN 彼誰時”と、光の当たる角度によって色が変化する国産ステンレスボトル“INTOVENTボトル”がコラボ。「マクアケ」限定のレシピとカラーのプレミアムなセットとして発売した。

PICK UP 3 : 応援購入総額362万8000円

石の響きが音を奏でる無電源スマホスピーカー、誕生
暮らしに石を。ときめきを。

創業50年以上の研磨石専門メーカー・国広産業が、天然鉱石と樹脂を掛け合わせた独自素材“人造石”を活用して開発した無電源スマホスピーカー。スマホをセットするだけで、洞窟の中にいるような深みある響きを楽しめる。インテリアとしても映えるデザインも魅力。

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