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「こんな懐かしい日本の図書館みたいな空間が、ブラジルに残っていたのか」――初めて文協図書館を訪れたコラム子は、思わず足を止め、しみじみと館内を見渡した。
ブラジル暮らしも6年。存在自体は以前から知っていたものの、「どうせ小説くらいしか置いてないのでは…」と勝手に思い込み、これまで一度も足を運んだことがなかった。
ところが、実際に中へ入った瞬間、その先入観は一気に吹き飛んだ。館内には活字の本だけでなく、懐かしの児童書「かいけつゾロリ」、さらに「ワンピース」「ブラック・ジャック」など、日本を代表する漫画がズラリ。空気感まで、まるで子どもの頃によく通った日本の図書館そのものだ。しかも入館無料。貸し出しは文協会員限定とはいえ、無料で本を借りられるのも実にありがたい。
さらに驚かされたのが、一部の古本を購入できること。価格は5レアル、10レアル程度と手頃で、気づけば何冊も手に取っていた。
「ちょっとのぞいてみるか」くらいの軽い気持ちだったはずが、気づけば滞在は2時間近く。時間を忘れて本棚を巡っていた。
文協図書館は、文協創立直後から続く歴史ある施設だ。サンパウロ青年図書館の天野鉄人氏から6500冊、明治大学から漫画1250冊の寄贈を受けるなど、今なお多くの支援によって支えられている。
蔵書は日本文学や小説はもちろん、スポーツ、健康、農学、産業、社会学といった専門書から、子ども向け絵本、漫画、雑誌まで実に約4万冊。ブラジルにいながら〝日本の図書館そのもの〟を味わえる貴重な空間だ。さらに「ブラジル日報」の最新版も常時閲覧できるというからうれしい。
ブラジルに、これほどありがたい場所が存在している――。
それはまさに、日本と日系社会が長年力を合わせ、日本文化を守り、伝え続けてきた結晶なのだろう。(淀)
