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板宿の街の喧騒から少し離れた小道の側に、一軒の洋菓子店があります。年季の入った看板に書かれた『Maison de Desserts(メゾン・ド・デセール)』(神戸市須磨区)の文字。
須磨区役所のすぐ近くです
現店主兼パティシエの谷さんが43年前にこの地に店舗を構えて以来、同じ場所で変わらぬ味を紡ぎ続けています。
「一度来られたお客様のお顔は全員覚えています」とのこと!
ドアをくぐると、どこか懐かしい空気が流れています。優しい笑顔でゆったりと迎えてくれるスタッフのみなさん。“昔ながらのケーキ屋さん”という趣を感じますが、古くさい感じはしません。
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ショーケースの中も、奇をてらったものはなく、「選ぶ時にどんなケーキかわかる方がいいと思って」という谷さんの言葉どおり、どのようなケーキか想像のつく馴染みのものが多い印象です。お子さんや年配の方も、ショーケースを見るだけでわかりやすくてすぐに選べるのだそうです。
生ケーキは10数種類。定番のもの、季節によって変わるものがあります
こちらに並ぶケーキや焼き菓子はすべて、谷さんとご家族、ベテランスタッフさんの4人で作られているのだそう。自分たちの目の届く範囲で、商品数も増やしすぎず、ひとつひとつきちんと納得のできるクオリティーのものを出し続けるという姿勢に、実直さを感じます。
![実直に紡いだ43年。板宿『メゾン・ド・デセール』の忘れられない洋菓子 [画像]](https://www.walknews.com/wp-content/uploads/2026/05/img69eace21d7de8_xl.jpg)
ショーケースの中でもパッと目をひくのが「いたやどロール」です。表にも「板宿名物 いたやどロール」と書かれたのぼりが立っていて気になっていました。
「いたやどロール」1,080円(税込)
約20年前に誕生したという「いたやどロール」。世間的には生クリームたっぷりのロールケーキがはやっていた頃ですが、同店のロールケーキは“生地で勝負”しているとのこと。
![実直に紡いだ43年。板宿『メゾン・ド・デセール』の忘れられない洋菓子 [画像]](https://www.walknews.com/wp-content/uploads/2026/05/img69eace6d167cf_xl.jpg)
フォークを入れるとまずその柔らかさに驚きます。口に入れるとふわぁっと優しくほどけていきます。甘さ控えめだけれどコクのある生クリームは、多すぎず少なすぎずちょうどよい量。
軽くて、柔らかくて、優しいロールケーキ。小さな子どもから年配者まで広く愛される看板商品なのも納得です。
驚くべきはそのお値段です。ロールケーキ1本で1,080円(税込)!消費税が上がった時にその分アップしただけで、長らく値段を変えていないそうです。「特別な日だけでなく普段の日にも気軽に洋菓子を楽しんでほしい」という谷さんの思いが込められています。
「板宿おもてなしバウム」1,850円(税込)
「板宿 おもてなしバウム」も手土産などによく選ばれているそうです。何層にも重なったバターケーキはしっとりとしていて食べ応え抜群。コーヒーや紅茶ともよく合います。
地元の人たちにも喜ばれているイートインスペース
同店では、イートインも可能です。ケーキ屋さんで店内飲食が可能なのは珍しいですよね。ショーケースに並ぶケーキのお値段にドリンク代をプラスすれば、店内でいただけます。
「レアチーズタルト」520円、「アイスコーヒー」460円(すべて税込)
新作の「レアチーズタルト」をいただきました。なんと嬉しいクッキー2枚のおまけ付き♪
ショートケーキかな?と思ったら、レアチーズタルト。一番上はほわっととろけるレアチーズクリーム、真ん中の層はふんわり柔らかいスポンジ生地、そして一番下にジャクジャクとしたタルト生地です。
3層の食感の違いが楽しく、北海道産のクリームチーズが使われたレアチーズクリームはとても爽やかで、何度もリピートしたくなる味です。
![実直に紡いだ43年。板宿『メゾン・ド・デセール』の忘れられない洋菓子 [画像]](https://www.walknews.com/wp-content/uploads/2026/05/img69eacf1905de8_xl.jpg)
今年のホワイトデー前にはしばらく売り切れが続いたというクッキーも話題です。ザクッほろっ食感で、シンプルだけれど味わい深いクッキー。
谷さんが学校を出て大手洋菓子会社に勤めていた時に作り始めた製法で、基本を大事にしながら丁寧に作り続けられています。
持つとずっしり!見た目以上にたくさん入っています
筒入りのクッキーは、一度食べたら忘れられず遠方からの取り寄せも多い、ファンの多い商品です。「送料がかかるのにね」と笑顔の谷さん。
「香りや後味の変わってしまうマーガリンは使わない」など、材料にもこだわられています
長く続けてこられた秘訣を、一緒に働く娘さんに聞いてみました。「どんな局面でもめげず、おごらず、真面目にコツコツ積み重ねてきたことでしょうか」とのこと。「地域のお客様が支え続けてくださったおかげです」と、周囲への感謝も忘れません。
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お菓子作りは、グラム単位で味も食感も変わる繊細な仕事。ひとつひとつを丁寧に、実直に続けてこられた結果なのだなと思いました。
「自分の作ったものが店頭に並び、それを選んで買ってくれるお客さんがいる。なるべく手軽に食べてほしいから限界まで値上げはしない」と話す谷さん。コツコツと築かれた歴史が、これからも長く紡がれてゆくことを願ってやみません。
