メンズファッション最大の国際見本市「ピッティ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMAGINE UOMO以下、ピッティ)」第110回が、6月16〜19日に伊フィレンツェのフォルテッツァ・ダ・バッソで開催される。主催するピッティ・イマージネ社のラファエロ・ナポレオーネ(Raffaello Napoleone)CEOが来日し、概要を説明した。

テーマは「プール」、会場中央に巨大インスタレーション

第110回のコンセプトテーマは「プール(POOL)」。ビジュアルはクリス・ヴィダル・テノマー(Chris Vidal Tenomaa)とトゥオマス・ライティネン(Tuomas Laitinen)がキュレーションを手がけ、衣装を「シモーネ ロシャ(SIMONE ROCHA)」が担当。会場中央のインスタレーションは、フィレオ・ランドフスキー(Philéo Landowski)とレバノン出身アーティストのパスカル・ハシェム(Pascal Hachem)が協働制作した。

5つのセクションで構成、アウトドアとフレグランスに新展開

会場は「ファンタスティック・クラシック(FANTASTIC CLASSIC)」「フツーロ・マスキーレ(FUTURO MASCHILE)」「ダイナミック・アティチュード(DYNAMIC ATTITUDE)」「スーパースタイリング(SUPERSTYLING)」「アイ ゴー アウト(I GO OUT)」の5セクションで構成。「ブルネロ クチネリ(BRUNELLO CUCINELLI)」や「ヘルノ(HERNO)」などが出展する「ファンタスティック・クラシック」、「ジョン スメドレー(JOHN SMEDLEY)」や「マッキントッシュ(MACKINTOSH)」などが出展する「フツーロ・マスキーレ」など、700以上のブランドが2027年春夏コレクションを発表する。

新機軸として、アウトドアセクション「アイ ゴー アウト」が前衛的なアウトドア専門誌「ヴァニッシュ(VANISH)」とのコラボレーションにより「アウトピア(OUTOPIA)」として刷新する。パフォーマンス、ファッション、自然の交差をテーマとし、「バブアー(BARBOUR)」や「ウールリッチ(WOOLRICH)」といったオーセンティックなブランドに加え、「ヴァニッシュ」が新進アウトドアブランドを選定した。「フツーロ・マスキーレ」セクション内には、独立系フレグランスブランドに特化した「ハイ ビューティー(HI BEAUTY)」エリアも設置。百貨店など小売の中でフレグランスへの関心が高まる潮流を受け、欧州からアジアまで注目のインディペンデントブランドを紹介する。

地政学的不確実性の中で際立つ、フィジカルな場の意義

グローバルでは中東の地政学リスクが急速に高まっており、渡航費の高騰などによる来場への影響も懸念される。だがナポレオーネCEOは「製造、販売、ブランド戦略のすべてにおいて、コミュニティ全体が一堂に集まり、次に何をすべきかを議論し決断できる場が必要だ。ピッティの会場に足を運べば、市場が今どこへ向かっているかを肌で感じることができる」とし、フィジカルな場としての「ピッティ」の意義を強調した。

日本市場のプライオリティーが高まる、日本人デザイナー招聘も継続

特に重視するのが「日本市場」であるという。2025年のイタリアファッションの対日輸出額は前年比4.6%増と、フランス(同3.4%増)、米国(同4%増)を上回り主要国で最高の伸び率を記録した。ドイツ(同3.5%減)、中国(同16%減)、英国(同6.2%減)が苦戦する中で、相対的に日本のプライオリティーは高まっている。ピッティの日本からの出展社数も増加傾向にあり、25年6月開催は131社、直近の1月開催は144社と、いずれも前年開催比でプラスとなった。

こうした流れを受け、「ピッティ」は日本のファッションシーンとの関係をさらに深めていく意向だ。25年6月開催では「チルドレン オブ ザ ディスコーダンス(CHILDREN OF THE DISCORDANCE)」、26年1月開催では「シンヤコヅカ(SHINYAKOZUKA)」「ソウシオオツキ(SOSHIOTSUKI)」と、日本人デザイナーの招聘を続けてきたが、今回も二宮啓が手掛ける「ドーバー ストリート マーケット(DOVER STREET MARKET)」の新プライベートブランド「DSM ケイ ニノミヤ(DSM KEI NINOMIYA)」を迎えショーを披露する。

ほかにもモノ作りやカルチャーなど、多角的にジャパンファッションを紹介する。栗野宏文氏が特別アドバイザーを務める「J∞クオリティ ファクトリー ブランズ プロジェクト(J∞QUALITY FACTORY BRANDS PROJECT)」も引き続き「フツーロ・マスキーレ」セクション内に専用スペースを設け、「マルチョウ(MARUCHO)」「サンライン(SUNLINE)」「エドウイン(EDWIN)」「サンヨーコート(SANYOCOAT)」といったファクトリーブランドや匠の技術が光るブランドが出展する。創刊25周年を迎えるメンズファッション誌「レオン(LEON)」は、日伊外交関係160周年の節目に合わせ、25年間のピッティのストリートスタイルを振り返る写真展示をセントラル・パビリオンで実施する。​​​​​​​​​​​​​​​​