■決勝で示したSSSの地力

 大会2日目の4月12日。暦の上では春だが、この日の苫小牧は最高気温7度。風も強く、体感温度はそれをさらに下回る。ピッチに立っていると、手がかじかむほどの冷え込みだった。そうしたコンディションの中でも、選手たちのプレー強度は落ちない。

 準決勝ではASC北海道がHKD FOOTBALL CLUBを1-0で下し、SSS札幌サッカースクールはVITA FCに4-0で快勝。決勝は札幌の名門・SSSと、開催地・苫小牧を背負うASCのカードとなった。

 大会は8人制、12分×3ピリオド制。第1・第2ピリオドはそれぞれ異なる8人が先発し、同一選手の連続出場は認められない。5分間のインターバルを挟む第3ピリオドは、全メンバーから先発を選出でき、交代も無制限。試合の流れだけでなく、選手の配置や組み合わせによって展開が大きく変わるレギュレーションだ。

 その中で、SSSは立ち上がりから試合を掌握した。

 第1ピリオド3分、左サイドを崩すと、葛西陽向の折り返しを空華蓮斗が押し込み先制。さらに9分には笹本晴生がドリブルで持ち運んで追加点を奪うと、直後の10分には葛西もネットを揺らし、わずか10分間で3ゴールを積み重ねた。

 サイドを起点に幅を使いながら相手を動かし、ゴール前に人数をかける。中盤で主導権を握り続けたSSSの攻撃は、連続性を持って相手を押し込んでいく形だった。

 3点差となっても、SSSに緩みはなかった。

「まだ何も決まっていないぞ」

 キャプテンの6年生・吉田侑生が声を張る。5年生だった昨年、この大会を制し、全国の舞台を経験している世代だ。その先にある全国大会を見据えているからこそ、3点リードの状況でも空気を引き締める必要があった。

 第2ピリオドでもSSSの流れは変わらない。前線に入った中山空徠は「絶対決める」という強い気持ちを持ってピッチに立ち、ボールを持てばドリブルで積極的に仕掛けていく。

 その姿勢が結果につながる。右サイドからカットインし、左足で放ったシュートがオウンゴールを誘発。スコアは4-0となり、試合の大勢を決定づけた。

 ピリオドごとにメンバーが変わるこの大会において、誰が出ても同じ強度でプレーできるか。SSSはその点で他を上回っていた。