求む 嘱託警察犬 必要性高まるも減少傾向、和歌山県警

求む 嘱託警察犬 必要性高まるも減少傾向、和歌山県警

 行方不明者の捜索や事件現場に出動する和歌山県警の嘱託警察犬と指導手が減っている。ピーク時と比べると半減しているが、その必要性は高まっているとして、県警は「愛犬とともに社会に貢献したいと考える人に手を挙げてもらいたい」と呼びかけている。

 県警によると、現在の嘱託警察犬は22頭、指導手は10人。最も多かった2008年は43頭、26人いた。一方で出動件数は増えている。23年は51件だったが、25年は63件だった。大半が行方不明者の捜索。社会の高齢化や認知症患者の増加も影響しているとみられる。

■指導手46年 上向さん

 白浜町平の富田川河川敷。近くに住む指導手の上向正一さん(75)が「探せ」と発声すると、嘱託警察犬の「ディルク」(シェパード雄、7歳)が力強く走り出した。ディルクは人が隠れた木箱に近づき、「ワン」とほえた。見つけたことを上向さんに知らせるためだ。

 上向さんは1980年から指導手を務め、現在は県指導手会の会長でもある。飼育するディルクと「チヨマル」(シェパード雄、7歳)も嘱託警察犬だ。田辺、白浜両署管内で要請があれば出動するという。

 県外で警察犬の訓練所を営む知人から「挑戦してみないか」と声をかけられ、この世界に入った。家具や建具を造る会社で職人として働いていたが、会社の理解もあり、日中でも要請を受ければ出動した。自宅には、警察から受けた感謝状がずらりと並んでいる。

 日々の訓練は必須だ。上向さんは「苦労は感じない。今後もできる限り協力はするが、後継者が出てきてくれたらうれしい」と話す。

■愛犬と社会貢献を

 県警鑑識課は、嘱託警察犬や指導手が多くなれば、一人一人の負担は軽減されるはずだとして「使命感を持って役目に取り組んでくれる人に考えてもらえたら」と話している。

 嘱託警察犬の指定や指導手の委嘱は、県警が毎年秋に開く審査会で能力を見極めて決める。期間は1月1日〜12月31日。県内で飼育されていることなどが条件で、犬種は問わない。

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