岩手県が全国一の生産量を誇る短角牛。それに魅せられて長野県から岩手に移住した女性が、地域おこし協力隊を卒業し、精肉店として起業しました。修業時代から起業、そして結婚と着実に人生を歩む姿を2年半追いました。2回シリーズでお伝えします。
久慈市山形町の牛舎。小野沢りんさん25歳は、一人で短角牛の世話をしていました。
小野沢りんさん(25)
「この作業、体力仕事なんで、腰が痛かったりとかそれが大変です。こんな感じで牛ってびっくりな(臆病な)生き物なんで、ハイハイとか声をかけないと、びくって驚いて動いたときに人間がけがをしたりするので、一人で作業していると、けがをしないように考えながら作業しています」
短角牛が大好きな小野沢さんは、牛の様子、牛舎の中の出来事をスマホで丹念に記録しています。時にはこんなことも。
小野沢さん「おーい 食うなおまえ、こら堆肥食うな、くちゃくちゃじゃないの」
私たちが初めてりんさんに出会ったのは、3年前の夏でした。短角牛に魅せられて長野県から金ケ崎町にある岩手県立農業大学校に入学し、卒業後は牛の飼い方とともに、肉のさばき方も修行していました。教えてくれたのは、短角牛を専門に扱っている久慈市の北風土代表の佐々木透さんです。
小野沢りんさん(当時22歳)
「黒毛和種の牛は全国探せばどこにでもあるんですが、短角と言えば北東北と北海道にしかいないので、短角にほれ込んでくる人たちは県内外から来てもおかしくはないかなって思いますけど、少ないので絶対数が貴重だなって思います」
北風土 佐々木透さん
「私が持っている知識や経験で話す。向こう10年間でこういう人たちが増えれば短角の未来はまだ明るいなと思いますね」
一方、同じ久慈市の柿木畜産では、闘牛について学んでいました。
Qなかなかいうこと聞かないもんですね
小野沢さん
「私の扱いが悪いからだと思います。力がないもんで、だめだこりゃ女性としての勢子というふうに周りからは見られていると思いますが、自分自身は周りの勢子をやっていた人たちと馴染んでやりたいなって言う感じ。あまり女性については考えていなかった」
この日は、久慈市山形町で恒例の闘牛大会が開かれました。
柿木敏由貴さん
「特色ある生産方法、放牧とか、さらにこういう闘牛文化も継承しているということがいろいろなフック(選ばれる理由)になって、関心持って来ていただけるきっかけになってると思います」
Qこういう中でりんさんとか若い人が柿木さんを頼ってきていますが?
柿木さん
「他の地域ですと高齢化して労働者不足というのが深刻な問題なんですけど、多少なりとも若い方が関心を持って参加してくれるというのは、すごく心強いなって思っています」
場内アナウンス「南部鉄器460キロ2歳、岩手県久慈市柿木敏由貴さん所有でございます。勢子は小野沢りんさん、こちらにも盛大な拍手をどうぞ」
(闘牛)
小野沢りんさんは大学校卒業後、3年間務めてきた久慈市の地域おこし協力隊を卒業して、短角牛専門の肉屋さんとして起業することの報告会を開きました。
遠藤譲一市長(当時)
「若い女性で短角牛に関わりたいという方は非常に貴重なんですが、そのバイタリティーや凄いなって。久慈市広報のお正月の意見交換会に出ていただいたんですが、自分の信念をしっかり持って、しかもそれを着実に実行している。見習わなくてはいけないなと私自身も思っています」
ここでサプライズがありました。
堀江りんさん
「先月 6月9日に入籍しました。ありがとうございます。では自己紹介を」
堀江貫太さん
「堀江貫太といいます。入籍させていただいていろいろな方々にお話をすることはあったんですけれど、実際こうやって顔を見せる機会がありまして、すごくうれしく思っております」
シリーズ「短角牛に魅せられて」来週は闘牛場で行われたりんさんと堀江貫太さんの珍しい闘牛ウエディングの様子や、りんさんのこれからの目標などをお伝えします。
