2026
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2026年2月4日、滋賀県とKDDIは地域防災に関する連携協定を締結した。AI搭載ドローンを県内各地に設置し、災害時の被害確認を遠隔で行う体制を整備する。通信と空撮技術を組み合わせた自治体主導の防災DXが始動する形だ。

目次

県内常設ドローンで災害監視体制構築

協定締結式には三日月大造知事とKDDIの高橋誠会長が出席し、地域防災や観光振興を含む包括連携に合意した。柱となるのは、高性能カメラとAIを搭載した遠隔操作型ドローンの配備で、県内の複数拠点に常設される計画である。

平時は琵琶湖に架かる橋梁などインフラの点検に活用し、台風や地震発生時には現地へ赴くことなく上空から被災状況を確認する運用を想定する。取得した映像やデータは通信網を通じて即時共有され、対策本部が迅速に判断を下せる仕組みだ。

加えて、スマートフォンの位置情報を基にした人流データも県へ提供され、観光施策や混雑緩和への活用が見込まれている。

高橋会長は、自治体とともに社会課題を解決するモデルを具体化していく考えを示した。

初動迅速化の利点と運用リスク、全国展開の可能性

常設ドローンの最大の利点は、初動対応のスピード向上にある。危険地域へ職員を派遣せずに状況を把握できるため安全性が高まり、救助や物資輸送の判断も早まることが期待できる。AI解析により損壊箇所を自動抽出できれば、点検や復旧の効率化にもつながる可能性があるだろう。

一方で、通信障害時のバックアップ体制や誤認識への対策は不可欠で、人流データの扱いにはプライバシー保護の厳格な運用が求められる。また、導入コストや維持費も自治体にとっては重い負担になり得る可能性が高い。

それでも通信インフラと無人航空機を組み合わせた防災DX(※)はメリットが多く、他地域への波及効果が大きく、滋賀の事例が全国標準モデルとなる展開も視野に入る。

※防災DX:デジタル技術を活用して防災業務を高度化・効率化する取り組み。ドローンやAI、通信データを用い、被害把握や意思決定を迅速化する手法を指す。

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