「チームを牽引するキャプテンが試合前に空を見る理由」ー神村学園 サッカー部 中野陽斗
――神村学園・中野選手が語る4-0快勝と次戦への決意
全国高校サッカー選手権大会3回戦で、神村学園が4-0の完封勝利を収め、ベスト8進出を決めた。
試合後、ディフェンスの要として存在感を放った中野陽斗選手に、試合の振り返りから国立への思い、そして中野選手が試合前に行うあの“ルーティン”について話を聞いた。

ビッグプレーは“結果”、主役はチーム
4−0。どうしても無失点で終わりたかった。
全国高校サッカー選手権大会3回戦。滋賀代表水口との試合終盤に中野選手はスタジアムを沸かせる決定的な守備のビッグプレーを魅せた。
「チームが負けないために、自分ができることをやるだけ。最後まで集中を切らさず、自分の役割を果たした結果が、ああいうプレーにつながったと思います」
無失点へのこだわりについても、「個人ではなく、チーム全体で守る意識があるからこそ」と強調した。

前半の苦しさと、後半に起きた変化
試合序盤、神村学園は一時リズムをつかみきれない時間帯もあった。
「前半は、相手に合わせてしまっていた部分がありました。自分たちが合わなくて、それがミスにつながってしまった」
だがハーフタイム、その空気を変えたのが指導者の言葉だった。
「有村先生から『悔いのないように戦え』と言われて、もう一度、全員が“チームのために”戦うことを意識できた。それが後半の内容につながったと思います」と中野選手は語る。

国立競技場は「特別な場所」
国立競技場への想いを聞いてみた。
「国立はやっぱり特別な場所だと思います。あの大歓声の中でプレーすることには、大きな意味がある」
ただし、視線は決して先に行き過ぎない。
「一昨年はこの八強で負けてしまっているので、何が起こるかわからないのが選手権ですし、やっぱり一戦一戦大事に戦うこと、そしてチャレンジャー精神を持って次の一戦にも挑みたいと思います。」

大切な人へー空に向けたルーティン
中野選手は試合前に必ず腕を広げ、最後に空をあおぐ。
そのルーティンが意味がずっと気になっていた。
一つは視野を広げるためのルーティン。
そして試合前に空を見上げるルーティンには、深い意味が込められている。
「小学校の頃にお世話になったコーチが去年亡くなってしまって…。親戚で一緒にサッカーをしていた人も亡くなりました。その人たちに、自分が頑張っている姿を見てほしいという気持ちです」
大切な人たちに見守られ、これからも中野選手は躍動するだろう。
次はいよいよ国立をかけた戦いとなる。
(取材・文 有賀真姫)
