今年のノーベル物理学賞受賞者の一人であるジョン・マルティニス氏は、量子コンピューティング分野で中国が米国との差を急速に縮めつつあると警戒感を示した。

  マルティニス氏は、訪問先のテルアビブでブルームバーグニュースのインタビューに対し、「中国は間違いなくこの分野で非常に強い競争力がある」と語り、「現実に競争が繰り広げられていることを、人々は懸念する必要がある」と警鐘を鳴らした。

relates to 中国が量子で猛追、米国との差は「ナノ秒」-ノーベル物理学者が警鐘

講演中のマルティニス氏(2日、テルアビブで)

Source: INSS

  同氏によれば、米国や欧州、中国はいずれも実用的な量子コンピューターの構築を競っており、実現にはあと5年から10年かかるとみられる。

  量子コンピューターは戦略的に重要な技術で、処理能力を飛躍的に高める新たなタイプのコンピューターの創出を約束する。その一方で、軍事通信の解読や重要インフラへのハッキングが可能になる恐れもある。世界各国の政府や、米アルファベット傘下のグーグルなどの企業、そして多くのスタートアップがこの技術の開発を進めているが、依然として研究段階にある。

  マルティニス氏は以前グーグルに在籍していた際に、従来のコンピューターよりはるかに高速で処理を実行できる能力である「量子超越性」の実証を目標に、有用な量子ハードウエアの構築に携わっていた。グーグルが2019年に量子超越性の実証を明らかにした当時、中国はこの技術で約3年遅れているとみられていたという。

  同氏はインタビューで、「しかし、中国はすぐに追いついた。今では、おそらくわれわれが中国よりナノ秒ほどしか先行していないのではと懸念している」と語った。

原題:Nobel Winner Warns China Is ‘Nanoseconds’ Behind in Quantum Race

(抜粋)