公開日時 2025年11月25日 05:00
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大規模火災で5万平方メートル近くが焼けた大分市佐賀関の現場(上、19日)。発生前には、山と海に囲まれた土地に多くの住宅が立ち並んでいた(下、2019年12月)
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琉球新報朝刊
大分市佐賀関で約170棟を焼いた大規模火災は、25日で発生から1週間。延焼拡大の背景には、木造住宅の密集や空き家の多さ、強風など、複合的要因があるとみられることが明らかになってきた。自宅を失った住民らは将来への不安を抱え、行政は生活の再建へ支援を本格化させる。
火災は18日夕に起き、深夜にかけて延焼、2人が死傷した。20日に辺りが鎮圧状態となるまで、東京ドームの建築面積を少し上回る5万平方メートル近くが焼けた。空撮写真からは、骨格も含め焼け落ちたとみられる建物の残骸が広範に確認できる。
現場付近を23日に調査した東京大の広井悠教授(都市防災)は「木造家屋の密集」と「強風」が延焼拡大の主因とみる。
山と海に囲まれた現場には古い住宅が密集、風も強く、市は「延焼警戒地区」に指定していた。火災前の空撮写真によると、細い路地の周りに家屋の屋根が所狭しと並び、延焼を防ぐのに有効とされる空き地も少ない。
消防団員の一人は「消防車が(集落の)奥へ入っていけなかった」と証言。広井氏は「道路が狭いとポンプ車の侵入や放水が難しく、十分に消火活動できなかった可能性もある」と指摘する。
一帯には強風注意報が発令されていた。住民らは「全方向に風が吹いていた」「火の粉が雨のように降った」と振り返る。飛び火により次々と建物に燃え移った可能性が高く、大分県は自然災害の側面もあるとして国に支援を求める方針だ。
24日正午の時点でも108人の住民らが避難所に身を寄せている。
