【写真】エスパス ルイ・ヴィトン大阪で開催中。草間彌生の展覧会の見どころは?

無限の鏡の間 – ファルスの原野(またはフロアーショー)1965/2013年 
エスパス ルイ・ヴィトン大阪での展示風景(2025年)
詰めもの入り縫製布、木製パネル、鏡 250×455×455cm

草間の創作活動はポップアートやミニマリズムと呼応し合い、またそれらにインスピレーションを与える形で展開されてきたが、彼女の本質的な強さは極めて私的な作品が映し出し続けてきた圧倒的な独自性にある。本展におけるもっとも新しい作品でもその独自性は健在している。

「自己治療(セルフセラピー)」と彼女が呼ぶ制作過程において、強迫的に反復されるモチーフは重要な表現手法となっており、本展で紹介する作品群にもこの特徴が色濃く反映されている。そしてこれらのモチーフに込められているのは、草間の根底にある哲学。展覧会のハイライトとなる《無限の鏡の間 – ファルスの原野(またはフロアーショー)》(1965年/2013年)は、彼女が手がけた数多くの「無限の鏡の間」の第1作であり、来場者を果てしなく続く水玉の世界へと誘い、方向感覚を失うほどの没入体験をもたらす。草間は「水玉」と「無限の網」による多様な技法を駆使しながら、鑑賞者に無限について考えるよう促し、彼女が「自己消滅」と呼ぶ過程において視覚的な没入へと誘う。

フォンダシオン ルイ・ヴィトンの所蔵コレクションを公開する「Hors-les-murs(壁を越えて)」プログラムの一環として行われる本展は、草間彌生のさまざまな時代の作品を鑑賞できる貴重な機会。長期間の開催となるので、ぜひ時間を見つけて会場へ足を運びたい。

草間彌生『INFINITY – SELECTED WORKS FROM THE COLLECTION』

text: Natsuko Kadokura

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