相続税などの基準となる土地の価格「路線価」が1日、公表され、岐阜県の平均は去年を0.1%下回り、17年連続での下落となりました。
一方、高山市中心部の観光地では、好調なインバウンド需要などを背景に全国で4番目に高い上昇率となっています。

「路線価」は1月1日の時点で国税庁が算定した全国の主な道路に面した土地の1平方メートル当たりの評価額で、相続税や贈与税を計算する基準となります。

1日、公表されたことしの県内およそ5000か所の平均の路線価は去年を0.1%下回り、17年連続の下落となりました。

愛知と三重はいずれも上昇していて、岐阜は東海3県で唯一の下落となりました。

県内の最高地点は、JR岐阜駅近くの岐阜市吉野町5丁目の「岐阜停車場線通り」で2%上昇し52万円でした。

岐阜県は他の県に比べて面積が広く、路線価が下がった地点が多いことから県全体の平均も下落しています。

一方、高山市中心部の観光地にある「上三之町下三之町線通り」は、34万円で、好調なインバウンド需要などを背景に去年と比べて28.3%の上昇となりました。

これは東海3県で最も高く、全国でも4番目に高い上昇率となっています。

県内の地価の動向に詳しい不動産鑑定士の小池育生さんは「現在のインバウンドの消費額はコロナ禍前を上回っており、特に欧米やオーストラリアからの旅行者の増加が経済効果を押し上げています。高山市中心部では土地が限られていて、ホテル用地として大きな面積の取得が進むと、土地価格の上昇に拍車がかかる傾向があります。現在の好循環はしばらく続くと見られますが、いずれは相場は落ち着き、上昇率も縮小していく見込みです」と分析しています。

【JR高山駅周辺 宿泊施設の進出相次ぐ】
路線価が全国で4番目の上昇率となった高山市はコロナ禍のあと外国人観光客が急回復しています。

去年1年間に高山市内に宿泊した外国人の数は76万9000人余りにのぼり、コロナ禍前の2019年と比べ25.7%増え、過去最多となりました。

こうしたインバウンド需要などを背景にJR高山駅周辺では宿泊施設の進出が相次いでいます。

「飛騨・高山観光コンベンション協会」によりますと、高山市内の宿泊施設の客室数は2019年にあわせて3400室余りだったのが、ことしはおよそ5000室に達する見込みだということです。

このうち東京に本社を置くホテルチェーンもことし10月にJR高山駅前に客室数が150室余りのホテルの開業を予定しています。

このホテルでは人前で裸になることに抵抗がある外国人観光客に配慮して通常の大浴場に加えて、水着を着用して利用する露天風呂やサウナを整備することにしています。

ホテルチェーン「アマネク」の林健太郎企画開発本部長は「高山は日本文化の魅力を発信する場所としてインバウンドに非常に人気があり、進出することにしました。日本の人口が減っていく中で、今後もインバウンドが来る可能性のある、成長性が高い場所に出店していきたい」と話しています。