
危険運転で同乗の大学生を死なせた当時18歳の男に懲役3年の実刑判決 裁判長は「運転態様は非常に無謀で結果は重大」と量刑理由 金沢地裁
金沢市で2024年10月、運転する車が電柱に衝突し乗っていた3人を死傷させたとして、当時18歳の特定少年の男が危険運転致死傷の罪に問われた裁判員裁判で、
金沢地裁は26日、男に懲役3年の実刑判決を言い渡しました。
「スピードを出すと友人たちが盛り上がり、自分も楽しい気持ちになった」
裁判の過程で明らかとなったのは常態化した危険走行でした。
事故が起きたのは2024年10月16日の深夜でした。金沢市の無職の男(当時18歳)の軽乗用車にはほかに友人3人が乗っていました。
車を加速させ制限速度40キロの道路を時速90キロで走行。エンジンブレーキだけをかけながら、ハンドルを左に切ったといいます。
被告「カーブに入るまでは行けると思った」
しかし、車はカーブを曲がり切れず電柱に衝突し横転し、その後回転しながら道を外れ大破しました。
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この事故で後ろの座席に乗っていた男子大学生1人が死亡、別の男性2人も重軽傷を負い、男は危険運転致死傷の罪で起訴されました。免許の取得からおよそ3か月後の事故でした。
「友人たちからの求めで事故に」被告が主張する要因を裁判所は認定せず
被告「スピードを出すと友人たちが盛り上がり、それを見て聞いて自分も楽しい気持ちになった」
車の速度を上げると体が浮き上がる感覚に、友人から「もう一回」と求められることも。また、運転免許を持たない友人に要求され車を貸したり、窓の外に体を乗り出す「箱乗り」をしたり、こうした行為を繰り返すうちにスピードを出すことに慣れ、「危険」という認識が薄れていったといいます。
被告「事故は起きないだろうと軽く考えていた。周りに流されやすく調子に乗りやすいところが問題だった」
事故当時18歳だった被告に、刑罰を科すべきか、それとも保護処分とすべきかが裁判では争点になりました。
検察側は、運転経験が未熟という自覚がありながら極めて無謀な運転をし、犯行態様は悪質だとし懲役6年を求刑。
一方、弁護側は集団心理などが犯行に影響を与えたとして保護処分が適切とし家庭裁判所への移送を求めました。
迎えたきょうの判決で、金沢地裁の伊藤大介裁判長は、懲役3年の実刑判決を言い渡しました。
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伊藤裁判長は「運転態様は非常に無謀で結果は重大」としたうえで、友人らからの求めが今回の犯行に至った原因とは認定しませんでした。
その上で被告が当時18歳だったことや、一部の被害者と示談が成立していることから、懲役3年が妥当としました。
弁護側は判決を受け、現時点で控訴についてコメントできないとしています。
公判に参加した裁判員3人が判決後、記者会見に応じました。
50代の会社員の男性は、審理した少年事件について「難しいと思った。(被告が)自分の子どもと同じ年齢で親の立場になって考えさせられる事件だった。感情が入るところもあり、判断するのが難しかった」と話しました。
