関東1都6県 出生数・合計特殊出生率
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去年1年間に生まれた(2024年)日本人の子どもの数は68万6000人あまりと、統計を取り始めて以降、初めて70万人を下回ったことが厚生労働省の調査で分かりました。また1人の女性が産む子どもの数の指標となる出生率も、1都6県でいずれも低下し、東京都は0.96と全国で唯一、1を下回りました。東京都の取り組みや専門家の見方などをまとめました。
出生数 関東1都6県すべてで前年より減少

厚生労働省によりますと、関東の1都6県で去年1年間に生まれた日本人の子どもの数は、あわせて24万1821人となり、前の年より1万1090人減少しました。
それぞれの出生数は、すべての都県で前の年より減少しました。
▽東京都8万4205人(前年比:-2143人)▽神奈川県5万1326人(-2665人)▽埼玉県3万9955人(-2153人)▽千葉県3万3764人(-1894人)▽茨城県1万3976人(-922人)▽栃木県9261人(-697人)▽群馬県9334人(-616人)
合計特殊出生率 東京都は0.96

また、1人の女性が一生のうちに産む子どもの数の指標となる「合計特殊出生率」は、1都6県でいずれも低下し、東京都は0.96と全国で唯一、1を下回りました。
▽東京都0.96(前年比:-0.03)▽神奈川県1.08(-0.05)▽埼玉県・千葉県1.09(ともに-0.05)▽栃木県1.15(-0.04)▽茨城県1.16(-0.06)▽群馬県1.20(-0.05)
出生数70万人を下回る 少子化は想定より早く進行

厚生労働省によりますと、去年1年間に国内で生まれた日本人の子どもの数は、68万6061人となり、前の年より4万1227人減少しました。出生数が減少するのは9年連続で、1899年に統計を取り始めて以降、初めて70万人を下回りました。
出生数は全ての都道府県で減少しています。国立社会保障・人口問題研究所がおととし公表した将来予測では、日本人の出生数が68万人台になるのは2039年と推計していて、想定より15年ほど早く少子化が進行しています。
また、1人の女性が一生のうちに産む子どもの数の指標となる合計特殊出生率は、去年、1.15となり、前の年から0.05ポイント低下し、統計を取り始めた1947年以降で最も低くなりました。
厚生労働省
「若い世代の減少や、晩婚化・晩産化が要因にあると考えている。急激な少子化に歯止めが掛からない危機的な状況にあり、今後も少子化対策に取り組んでいきたい」
出会いの場 結婚相談所を選ぶケースも

「自分に合った人になかなかめぐりあわない」。そんな若者が出会いの場として結婚相談所を選ぶケースも増えています。
東京・港区の結婚相談所では、20代から30代の若者を中心に利用者が増えているといいます。取材をした日も、事務所で面談を受ける人たちの姿がありました。
28歳女性 都内在住の場合
このうち都内に住む28歳の女性は、ことし2月から婚活を開始。国際支援を行うNGOで働き、将来は海外への赴任を希望していて、その前に子どもを産みたいという考えもあって、結婚相談所に登録したと言います。
28歳女性
ふだんの生活は職場と家の往復で、なかなか出会いがありません。キャリアを優先すると家庭を持つのは難しいという声をよく聞きますが、子どもも産んでキャリアもしっかりと積んでいきたいです。
27歳男性 都内在住の場合
また、都内に住む27歳の男性は、ことし1月に相談所に登録しました。コンサルティング会社に勤める男性は、年収およそ500万円。以前はマッチングアプリを利用して結婚相手を探していましたが、仕事や生活の価値観などが合う人には、なかなか出会えなかったといいます。
27歳男性
自分が若いうちに活動した方が良い人に出会えると思い結婚相談所に登録しました。仕事が忙しいので、タイムパフォーマンスも大切にしたいです。
新規入会の20代会員 5年前と比べると

この相談所も加盟する、婚活サービス大手「IBJ」の報告書によりますと、去年、新規に入会した20代の会員は5年前に比べて▼男性は3.3倍あまり、▼女性はおよそ1.9倍に増えています。
結婚相談所「ナレソメ予備校」勝倉千尋取締役
「いまは職場での恋愛も減っているとみられ、30代になってから婚活を始めたけれど苦労している人の話を聞いて、早めに動かなきゃと意識する20代が増えていると感じます」
東京都 ライフステージにあわせた支援策

東京都のおととしの(2023年)1人の女性が産む子どもの数の指標となる「合計特殊出生率」は全国の都道府県で最も低い0.99で、1を下回りました。
都は、少子化の流れを食い止めたいと、出会いから結婚、妊娠、出産、子育てまで、それぞれのライフステージにあわせた支援策を打ち出しています。

都は今年度、関連する予算として5407億円を計上し、具体的には▼都が独自に開発したAIを駆使したマッチングアプリの運用や、▼都内の0歳から18歳までの子どもを対象に毎月5000円の給付を行っているほか、▼ことし9月からはすべての子どもの保育料を無償化し、▼10月からは都内の対象の医療機関で「無痛分べん」を行った都民に対し、最大10万円を助成するなどとしています。
東京都の「合計特殊出生率」が0.96と今回も全国で唯一、1を下回ったことについて、小池知事は都庁で記者団の取材に応じ、「婚姻数は前の年に比べて6.5%増えていることが希望で、これが将来の出生につながっていくことが期待される。引き続き、切れ目なく取り組みを進めていきたい」と述べました。
専門家 “社会保障に影響”
少子化の問題に詳しい学習院大学の鈴木亘教授に、出生数が70万人を下回ったことについて聞きました。

〇少子化の影響
想定を上回るペースで少子化が進めば、年金や医療、介護の支え手が減って財政が成り立たなくなる可能性も出てくる。少子化は高齢者の生活にも影響し、全世代の問題として立ち向かわなければならない。
〇若い人の負担をどうする
若い人は社会保険料などの増加で、子どもを産むのをためらうほどの負担増の中にいるが、それが増えればさらに厳しい状況に陥る。資産を持つ高齢者などにある程度の負担をしてもらうなど、痛み分けをする発想も必要ではないか。
〇少子化の大きな要因
将来への不安を考えると、“交際や結婚をする心の余裕が生まれない”というのが、いまの若者たちの大きな問題だと思う。また職場などで出会いの機会も減っていて、民間の結婚相談所は、費用が掛かるため利用できる人と出来ない人の格差が生まれる懸念もある。結婚支援こそ、国の少子化対策の肝であり、さまざまなツールを活用して若者たちの望みをかなえていく必要がある。
