金田喜稔が豪州戦を斬る!「押し込んでいるのに最終局面で崩し切れない。似たような現象が起きてしまった」

A代表デビューを飾った平河。安定感が目立った。(C)SOCCER DIGEST

(SOCCER DIGEST Web)

[W杯最終予選]日本 0−1 オーストラリア/6月5日/パーススタジアム
 
 日本代表は北中米ワールドカップ・アジア最終予選の第9節でオーストラリア代表と対戦。スコアレスで迎えた90分に失点して、0−1で敗れた。

 土壇場でベヒッチに奇跡とも言えるスーパーゴールを決められたけど、それまでは相手を上手く抑えていた。今回の日本はメンバーを大幅に入れ替え、関根や平河、俵積田の3人がA代表デビューを飾ったなかで、チームの守備はしっかりと機能していた。

 攻撃から守備の切り替えの速さ、球際の強さ、連動した動きを活かし、オーストラリアに“89分間”はチャンスを作らせなかった。相手が狙っていたカウンターも許さなかった。

 これは凄い。もちろん敗れたのは悔しい。ただ誰が出てもチームとしての素晴らしい守備ができた点は、冷静に見て評価するべきだと思う。

 攻撃では、個々の良さが光っていた。

 右ウイングバックの平河は安定感があり、左右どちらの足でも精度の高いキックを見せ、際どいミドルシュートを放った。
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 左ウイングバックに入った俵積田は、ピッチ状態のせいか、クロスの精度は今ひとつだったけど、果敢な仕掛けが印象的だった。

 鎌田とともにシャドーに入った鈴木唯人も、持ち前の攻撃センスを発揮。ターンが鋭く、途中出場の久保とのコンビネーションも良かった。1トップの大橋は流れのなかでのランニングやボールを引き出す動きが目立っていた。

 佐野海舟とボランチを組んだ藤田の角度のつけた縦パスやワンタッチパスには、可能性を感じた。短い代表活動期間ではコンビネーションを磨くのは難しいけど、味方と合ってくれば、リズム作りのキーマンになりそうだ。

 たくさんの良さが見えたなかで、残念だったのが3月のサウジアラビア戦(0−0)に続き、チームとして攻撃の共通理解が見られなかった点だ。相手を完全に押し込んでいるのに、最終局面で崩し切れない。2試合連続で似たような現象が起きてしまった。
 
 オーストラリアは守備時に5−4−1のシステムで、前からのプレスもかけてこなくて最終ラインが低い“ベタ引き”状態だった。

 日本からすればスペースを見つけにくかった。その場合はどうするべきか。求められるのは、相手の3センターバックの間を広げる作業だ。アタッカー陣が3枚の真ん中の選手と、左か右の選手の間に斜めに走り込んで、背後を取るプレーだ。

 今回であれば、大橋や鈴木唯人、鎌田がダイアゴナルに走り、ペナルティエリアの角からゴールラインギリギリの間の場所で起点を作る。

 その動きが、一発で得点に繋がるわけではない。ただ“おとり”でも繰り返し行なえば、どこかでズレが生じる。そこでできたスペースに、右なら平河、左なら俵積田が入り込めれば効果的なクロスを上げられたはずだ。

 スタッフが指示したのにできなかったのか、選手の感性に任せた結果なのかは不明だけど、5バックを崩す基本的なアプローチを共有できていないように見えた。
 
 サウジアラビア戦でも相手の5バックを攻略できなかった。その時も、ダイアゴナルのランが少なかった。2戦続けて、こうなってしまったのはショックだった。

 前回のカタール・ワールドカップでもコスタリカに5バックで守られて0−1で敗れた過去もある。「日本相手には5バックなら大丈夫」なんてなってほしくない。

 次は10日のインドネシア戦だ。オーストラリア同様、5バックで守りを固めてくると予想される。そこをしっかりと崩し切っての快勝が見たいね。

【著者プロフィール】
金田喜稔(かねだ・のぶとし)/1958年2月16日生まれ、67歳。広島県出身。現役時代はドリブルの名手として知られ、中央大在学中の1977年6月の韓国戦で日本代表デビューを飾り、代表初ゴールも記録。『19歳119日』で記録したこのゴールは、現在もなお破られていない歴代最年少得点である。その後は日産自動車(現・横浜)でプレーし、1991年に現役を引退。Jリーグ開幕以降はサッカーコメンテーター、解説者として活躍している。

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