チャールズ英国王がカナダを訪問し、カーニー加首相の招きで新議会会期の開会を宣言する。カナダの主権についてトランプ米大統領にメッセージを送る狙いもある。

  チャールズ国王は26日にオタワの空港に到着し、カナダ政府関係者や先住民の指導者、地元の児童、王立機甲連隊などが出迎えた。空港にはテレビ局など多数の報道陣も詰めかけた。

  今回の訪問は伝統的な式典の様相を保ちつつも政治的な緊張感をにじませる演出が施された。トランプ氏はカナダが米国の51番目の州になるべきだと繰り返し発言しており、カミラ英王妃は今回の訪問で、ジョージ6世が1939年のカナダ公式訪問を前に王妃に贈った「ダイヤモンド・メープルリーフ・ブローチ」を着用し、象徴的な意味を込めた。

The King And Queen Visit Canada - Day 1

オタワの空港に到着したチャールズ英国王とカミラ王妃(5月26日)

Source: Getty Images North America

  チャールズ国王は27日に加議会で施政方針演説を読み上げる。演説はカーニー首相の事務所が執筆したもので、政府の主要政策方針を明らかにする内容となる。

  首相の最優先課題7項目のうち、最初に掲げられているのは、米国との新たな経済・安全保障関係の構築のための交渉。また、英国を含む「世界中の信頼できる貿易相手国・同盟国」との連携強化も含まれる。

  カナダで国家元首を務める英君主が自ら施政方針演説を行うのは1977年以来となる。通常は代理を務めるカナダ総督が読み上げることとなっている。

  オタワのカールトン大学で議会制度を専門とするフィリップ・ラガセ教授は今回の訪問について、「意図するメッセージを伝える手段としては、かなり直接的だ」と指摘。トランプ氏はチャールズ国王への敬愛を表明していることから、「この特定の大統領に対して意図を伝えるには効果的な手段だと思う」と述べた。

  カナダとトランプ氏との間に交わされてきた言葉の応酬について国王自身は憲法上の立場から直接言及することはないと見られるが、カーニー首相の側は今回の訪問の意図をより明確にしている。首相は今月、「この歴史的な栄誉は、現代の重要性にマッチする。カナダにはわれわれの主権の断固たる守護者がいる」と述べている。

原題:King Charles Visits Canada as Country Rattled by Trump Taunts(抜粋)

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