POINT
■日本と韓国が国交を正常化してから60年となる。韓国は近年、グローバルな存在感を増している。
■尹錫悦大統領は日韓関係を修復する措置をとり、日米韓協力を積極的に進めた。しかし、国内で非常戒厳を宣布したことが政治の流動化を招いた。
■日韓関係の不安定さの根底には、韓国司法が日本の植民地支配を「不法」とする立場から、日韓関係の法的基盤を揺るがす判決を出していることがある。
■米国のトランプ政権が東アジアの同盟を軽視する姿勢をとれば、地域の安定が揺らぎ、日韓関係にも影響しよう。韓国内の独自核武装論が勢いづきかねない。
編集委員室記者 森 千春
日本と韓国が国交を正常化してから今年で60年となる(注1)。この稿では、両国関係のこれまでを振り返り今後を考える。
韓国憲法裁、大統領罷免を決定
韓国では、尹錫悦大統領が2024年12月に非常戒厳を宣布したことが、政治の流動化を招いた。国会が尹氏を
弾劾(だんがい)
訴追し、憲法裁判所は審理の結果、尹氏の
罷免(ひめん)
を決定した。罷免が宣告された4月4日から60日以内に大統領選が行われる。
保守の尹氏は、国会に軍を派遣するという時代錯誤的な措置をとって自滅した。勢いづいた左派が大統領の座の奪還を目指す。選挙の
帰趨(きすう)
はまだ見通せないが、保守と左派が対立する韓国政治の構図を念頭に論を進める。
まず、韓国が近年、グローバルな存在感を増しているということを確認したい。
サムスン電子を筆頭とする製造業、Kポップや韓国ドラマといったコンテンツ産業の成功だけではない。ロシア・ウクライナ戦争に着目しても、韓国の役割は注目に値する。韓国はウクライナに殺傷兵器の直接供与はしていない。しかし、砲弾を米国に送り、米国がウクライナに供与するという間接的な形で、支援した。政策研究大学院大学の道下徳成副学長(専門・朝鮮半島の安全保障問題)は24年7月に行ったインタビューで、「韓国の尹錫悦政権は、自由社会の一員としてウクライナを支持し、法に基づく国際秩序を守るための努力をしてきた」と評価した(注2)。
また、韓国は欧州諸国への兵器輸出を増やしている。たとえばポーランドは22年7月、韓国から自走砲約600台、戦車約980台などを購入すると発表した(注3)。
韓国は、経済水準で日本と肩を並べた(注4)だけでなく、グローバルな影響力を増しているのだ。
尹錫悦政権は「日米韓」を重視
2023年8月20日「読売新聞」朝刊
韓国政治が流動化する直前、日韓関係で何が課題となっていたのか。24年10月に就任した石破首相と尹大統領が、ラオス・ビエンチャンで行った初の対面会談では、両国間で首脳が往来する「シャトル外交」の継続で一致した。11月には、アジア太平洋経済協力会議(APEC)開催地のペルー・リマで、退任を前にしたバイデン米大統領を交え日米韓首脳会談を行い、3か国の「調整事務局」の新設を決めた。日韓首脳会談では、北朝鮮がロシアに派兵するなど露朝の軍事協力が拡大している問題を取り上げ、懸念を共有することを確認した。
22年5月に発足した尹錫悦政権の外交面での最大の成果は、バイデン米政権との連携を緊密化させたことだ。尹政権は対日関係も改善させた。大きな図を見れば、対米関係強化が大目標としてあり、それと関連する課題として日韓関係に取り組んだと言えるだろう。
尹政権の対米政策の特徴は、23年4月にワシントンで行われた米韓首脳会談から見て取れる。両国は二つの合意文書をまとめた。一つは北朝鮮に対する抑止力強化をうたった「ワシントン宣言」だった。もう一つは米韓同盟70年を記念する共同声明で、「インド太平洋」「ウクライナ」「半導体供給網」など幅広い協力課題を列挙した。
北朝鮮の軍事的脅威を米韓同盟によって抑止するというのは、韓国の保守政権の伝統的発想だ。尹政権の特色は、これにとどまらず米国と歩調を合わせグローバルな役割を果たそうとした点にある。政権は、「グローバル中枢国家(Global Pivotal State)」を目指すというスローガンを打ち出した。
対北朝鮮政策、グローバルな課題への取り組みのいずれも、日本と協力することでより円滑に進めることができるのは間違いない。尹政権は、日本との関係改善を進めた。画期的だったのは、23年3月に、元徴用工(旧朝鮮半島出身労働者)(注5)訴訟問題の解決策を決定したことである。この訴訟については後述するが、尹政権の解決策は韓国の財団が賠償金相当額を原告の元徴用工らに支払うという内容だった。朝鮮半島地域研究が専門の神戸大の木村幹教授は、この解決策について「韓国側が考えうる最大の譲歩だ。日本にとっては満額回答に近い」と表現した(注6)。
尹政権が、日韓関係を改善させたことの効用は、日本、米国、韓国の3か国による安全保障協力が前進したことだ。
日米韓の連携を強化することは、バイデン政権のインド太平洋政策の一環だった。日本、米国、オーストラリア、インド4か国による「クアッド」、米国、英国、オーストラリアによる「AUKUS(オーカス)」と並ぶ協力枠組みとなることが期待された。
日米韓協力の一里塚となったのは、岸田首相、バイデン米大統領、尹大統領が23年8月、ワシントン郊外の大統領山荘キャンプデービッドで行った首脳会談だ。日米韓協力の「新時代」の幕開けを宣言し、中長期的な協力の指針「キャンプ・デービッド原則」、協力内容を具体化した共同声明「キャンプ・デービッドの精神」を発表した。
「最悪」に陥った時期も
韓国がグローバルな存在感を示し始めたのは、08年のリーマン・ショックに対応するための主要20か国・地域(G20)首脳会議が開始されたころだろう。韓国は、アジアから日本、中国、インドネシア、インドと並んで、この会議に入った。
日本と韓国の関係がこれ以降、先進国同士の成熟したものになってきたわけではない。それどころか、18年10月に韓国の大法院(最高裁判所)が、日本企業に対して、元徴用工への賠償を命じる判決を確定させたのを契機に、両国関係が冷却化し、日韓関係が「1965年の国交正常化以降、最悪」と表現された時期さえあったのだ(注7)。
韓国側と日本側の対立の核心には、かつての日本による朝鮮半島の植民地支配を巡る歴史観の違いがある。尹政権のとった措置により日韓関係は改善されたが、韓国の政権が代われば歴史観の隔たりに起因する問題が再燃する可能性はある。
だから日韓の間で歴史問題がもちあがる構造を復習することには意味がある。以下多少の紙幅を割きたい。
1965年6月23日「読売新聞」朝刊
国交を正常化するために日韓両国が65年に締結した諸文書の中で、両国関係の法的基盤として特に重要なのは日韓基本条約と請求権・経済協力協定(以下「請求権協定」と略する)の二つだ。
日韓基本条約は日本と韓国が国交を持つと定めた。交渉での争点の一つは、1910年の日韓併合条約が有効か否かだった。韓国側は併合条約の合法性を認めず、植民地支配は不法占拠だったという立場をとった。日本側は条約が合法だったと主張した。結局「もはや無効」という玉虫色の表現が採用された。
請求権協定は第1条で、日本が韓国に計5億ドル(無償3億ドル、有償2億ドル)の経済協力を行うことを定め、第2条で、請求権問題が「完全かつ最終的に解決されたこととなる」としている。
この「完全かつ最終的解決」を韓国政府と司法がなしくずしにしてきた。2005年、左派・盧武鉉政権が、元慰安婦は「反人道的行為」の被害者であり請求権協定の対象に入っていない、との立場をまとめた。11年には憲法裁判所が、韓国政府に対して、慰安婦の賠償請求権について解決に向けた努力をしないのは違憲だと決定した。
憲法裁の決定を重く受け止めた李明博大統領は、慰安婦問題での日本政府の対応に不満を募らせ、12年に竹島に上陸した。後継の朴槿恵大統領は、慰安婦問題で進展がなければ日韓首脳会談に応じないというかたくなな姿勢をとった。李氏、朴氏ともに保守の政治家である。保守だから日本との関係を大切にするという思い込みは通用しない。
朴政権と安倍政権が、元慰安婦支援のための財団設立などで合意したのは、日韓国交正常化50年にあたる15年の暮れだった。
国交正常化を成し遂げた朴正熙大統領の長女である朴槿恵氏は、合意成立の当日、安倍首相との電話会談で、「(日韓国交正常化)50周年の今年中に合意ができたことは大きな意味がある」と述べた。父親の業績を記念する年を合意で締めくくれてほっとしたのだろう。
ただ、この「慰安婦合意」は長続きしなかった。政権交代で登場した左派・文在寅大統領は、支持基盤の市民団体の意見に迎合して、この合意に基づき設立された財団の解散を決めた。
韓国司法が「日韓」の法的基盤を損なう
2018年10月31日「読売新聞」朝刊
日韓関係の法的基盤へのダメージという点で、慰安婦問題よりさらに深刻なのが、元徴用工訴訟を巡る問題だ。元徴用工の請求権が協定の対象に含まれることは、交渉の記録からも明らかだ。前述の盧武鉉政権の05年の立場でも、元徴用工については協定の対象とされていた。
にもかかわらず18年の韓国最高裁の判決は、元徴用工が日本企業に対して請求権を行使できるとした。日本の植民地支配は不法だったということが判決全体を支える重要な論拠だった。「不法な植民地支配と直結した反人道的行為」については請求権協定で解決されていないという論法を駆使したのだ。
1965年の国交正常化交渉で韓国政府が貫徹できなかった植民地支配「不法」論が司法の判断として復活したと言える。
日本政府はこの判決について「請求権協定に反する」と反発し、韓国側に「国際法違反の状態」を是正するように求めた。しかし、文在寅政権は「司法の判断を尊重する」と繰り返すばかりで、善後策を講じなかった。
外務官僚として日韓請求権協定交渉に携わった福田博・元最高裁判事は読売新聞への寄稿(注8)で、韓国側の問題点について次のように指摘した。
「各国は、国内的な理由で国際法上の義務を逃れることはできず、たとえ司法府の判断であっても、これは変わらない」。司法の判断を理由に対外的な義務を果たさなければ、国際秩序は成り立たなくなる。「今回の判決は、司法が外交権限を持つ行政府の判断を覆したという意味においても大きな問題をはらむ」
筆者自身、この判決に強い違和感を抱いた。植民地支配の合法性・違法性については、基本条約では日韓双方が歩み寄った表現が採用された。請求権協定によって日本企業は過去と一線を画し、韓国へ進出した。基本条約と請求権協定は、具体的協力を可能にしたという意味で、十分機能したのである。半世紀以上経過して、司法がこの日韓関係の土台を損ない、両国関係を悪化させるのは、非建設的だ。
「日韓共同宣言」は意義失わず
1998年10月8日「読売新聞」夕刊
18年10月に最高裁が判決を出した被告企業が、新日鉄住金(現・日本製鉄)だったことは、日韓協力の歴史の中で象徴的な意味合いを持つ。
韓国で初の本格的な製鉄所である、浦項総合製鉄の高炉が稼働したのは1973年のことだ。筆者は初代社長をつとめた朴泰俊氏にインタビューしたことがある。朴正熙大統領は、製鉄業の必要性をこう説いたという。「農機具を作るにも、機械を作るにも、建設業をするにも、鉄なくしては経済の発展は難しい」「武器を100%米国に頼るわけにはいかない。小銃ぐらいは製造しなければ」(注9)。
建設資金には、国交正常化に伴い日本が支払った経済協力資金が充てられた。朴泰俊氏の要請を受けて、新日鉄住金の前身企業などの日本の技術者が現地で指導にあたった。その一人が、読売新聞の連載「昭和時代」の取材に答えて証言している。韓国に頼りにされたことを意気に感じた日本の技術者は、「まるで自分たちの製鉄所をつくるかのように純粋な情熱」を注いだという(注10)。
20世紀の終わりには、こうした日韓交流・協力の積み重ねが政治的に結実していた。すなわち98年の「日韓共同宣言 ―21世紀に向けた新たな日韓パートナーシップ―」だ。韓国の金大中大統領が訪日し、小渕首相と首脳会談でまとめた。
宣言で日本側は、韓国国民に対して植民地支配により「多大な損害と苦痛」を与えたことに対して、「反省」と「おわび」を表明した。韓国側は、戦後の日本が開発途上国に対する経済支援などで「国際社会の平和と繁栄」に貢献してきたと評価した。さらに宣言は、両国が、政治、安全保障、経済、人的・文化交流と幅広い分野で、協力関係を発展させるという方向性を打ち出した。
日韓共同宣言の発出は、両国が未来志向の関係を構築すると期待させる出来事だった。その後の21世紀の両国関係の現実は、歴史問題を克服することが困難であることを示したが、宣言の意義が失われたわけではない。両国の政治家が、関係改善の必要性を訴える際には、この宣言が引き合いに出される。
韓国次期政権が「歴史」蒸し返す懸念も
元徴用工訴訟で見たように韓国の司法は、日韓関係の法的基盤を揺るがしている。元徴用工訴訟に関しては、尹政権が「第三者弁済」方式の解決策を推進していることで、日韓関係の破局は回避された。ただ、対象となる原告のすべてが韓国政府の解決策を受け入れるとは限らない(注11)。また今後、尹政権の対日政策を批判してきた左派が政権をとった場合、この解決策を維持するのかどうかという不安材料がある。
さらに言えば、「日本の植民地支配は不法」という主張は、韓国司法が用いるだけでなく、韓国では学校教育やメディアに広く共有されている認識である。歴史認識に関して、日本と韓国の間には隔たりがあることを忘れてはならない。
具体的な問題としては、無料通信アプリ「LINE」が日韓対立の火種となっていることにも留意が必要だ。LINEの情報流出問題を巡って総務省は24年、運営するLINEヤフー社に対する行政指導の中で、大株主の韓国IT大手・ネイバーとの資本関係の見直しを求めた。
これに対して、韓国のメディアや野党などから強い反発が起きた。日本政府の措置が「韓国に対する差別」によるものだという論法で歴史問題とからめる動きが見られた。
大統領選への出馬が有力視される、左派の最大野党・共に民主党の李在明代表は、党内で頭角を現す過程で、日本を「敵性国家」と呼ぶ(注12)など、国民の反日感情をかきたてる発言を重ねた。元徴用工訴訟問題を巡っては、韓国政府の解決策を「日本への降伏文書」と呼び非難していた(注13)。ただし最近、英誌「エコノミスト」のインタビューで、韓米日の協力を継続することに「反対しない」とする(注14)など、対日外交に関連した発言を抑制している面もうかがえる。
最大の変数はトランプ外交
日韓関係の今後を考える上で、韓国政治の動向よりもさらに深刻な変数は、トランプ米政権の東アジア外交だろう。
実際、トランプ大統領は、ロシアのウクライナへの侵略を非難せず、ロシアとの関係改善に前のめりになっており、欧州の同盟国と急速に疎遠となっている。欧州では、北大西洋条約機構(NATO)の将来が不透明になった、との認識が有力だ。
トランプ政権は、東アジアの同盟国である日本、韓国をどう扱うのか。見方は大きくいって二つある。
一つは、米国が中国と対立している中では、同盟国日本、韓国を重用するだろうという楽観論だ。バイデン政権が力をいれた日米韓の協力枠組みも維持されると期待する。
もう一つは、トランプ氏が中国の習近平国家主席との間でディール(取引)を行い、その結果、東アジアの安全保障への米国の関与を引き下げかねない、という警戒論だ。
トランプ氏が北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記と会談することも考えられる。トランプ氏は1期目の政権当時、金正恩氏と会談を重ねた経緯がある。
韓国の国内政治、トランプ政権の東アジア政策という二つの変数に日韓関係が影響を受ける中、韓国の独自核武装論の動向についても注視する必要がある。韓国での世論調査では、独自核武装を支持する意見が多数となっている。尹錫悦政権は、バイデン政権の協力を得て、国内の独自核武装論を抑える措置をとった。具体的には、米国との拡大抑止に関する協議枠組みを拡充した。
また、米海軍の原子力空母や原子力潜水艦が韓国に寄港することを通じて、米国の抑止力を国民にアピールした。
もしトランプ政権下で、米韓同盟の先行きが不安視されるようになれば、韓国では核武装論が勢いづくことも考えられる。
ライシャワー大使の側面支援
駐日大使時代のライシャワー氏(右)とハル夫人(1966年4月撮影)
最後に1961年から66年まで駐日米国大使を務めたエドウィン・O・ライシャワー氏のエピソードを紹介したい。65年6月、駐日米大使は家族への手紙に、間近に迫った日韓基本条約の調印について喜びがあふれる筆致で書いた。「これはまさに大偉業だ」(注15)。ライシャワー氏は、水面下で日本、韓国双方の関係者と会い、日韓国交正常化を側面支援していたのだ。66年、大使の職を辞任する時にワシントンで行われた記者会見で最大の業績は何かと尋ねられると、「日韓関係の回復」をあげたという(注16)。
もちろん、65年に国交正常化が実現したのは、当事者である日韓の政権が本腰をいれて取り組んだからであり、米国が主導したわけではない。ただ、ライシャワー大使の頃から21世紀まで続いてきた、3か国間の基本構図がある。日本、韓国はいずれも米国の同盟国であり、米国は安定した日韓関係を望んできた。
しかし、トランプ大統領のもとで、これまで自明だった米国とアジアの関係が根底から変わるかもしれない。その可能性をにらみつつ、日本はどのような外交・安全保障政策をとるのか。そうした戦略の中に今後の対韓外交も位置づけられるべきだろう。
●注釈
(注1)日本と韓国は1965年6月22日、国交正常化のための日韓基本条約と関連諸協定に調印した。両国内の批准手続きを経て同年12月18日に批准書を交換した。
(注2)「読売新聞」2024年8月8日朝刊
(注3)「読売新聞」2022年8月3日朝刊
(注4)朝鮮半島地域研究が専門の木村幹神戸大教授は、「購買力平価(PPP)ベースの1人当たりGDP(国内総生産)」に関する国際通貨基金(IMF)データを分析し、18年以降は韓国が日本を上回っていると指摘している。『誤解しないための日韓関係講義』(PHP研究所、22年)、47~48頁。
(注5)この稿では、新聞の慣例に従って「徴用工」という表現を用いる。1937年の日中戦争以降、日本政府の動員計画に沿って朝鮮半島から日本に渡航した人たちを指す。詳しくは「読売新聞」2023年3月7日朝刊。
(注6)「読売新聞」2023年3月7日朝刊
(注7)「戦後最悪」という表現もメディアで頻出した。しかし、筆者はこの表現には問題があると考える。第2次大戦後、1965年までの長期間、日韓には国交がなく、この間に「李承晩ライン」を巡る深刻な問題が発生したからだ。韓国は52年、朝鮮半島周辺の海域に一方的に境界線(李承晩ライン)を設定し、多数の日本漁船を
拿捕(だほ)
した。
(注8)「読売新聞」2018年12月19日朝刊
(注9)「読売新聞」1998年8月13日朝刊
(注10)「読売新聞」2012年5月26日朝刊
(注11)25年3月初めの時点で、元徴用工訴訟で18年に勝訴が確定した15人のうち14人が韓国政府解決策を受け入れた。係争中の同種訴訟で今後勝訴が確定する原告の数は増加するとみられる。ただし、同種訴訟が無制限に増えるわけではない。時効に関する法律や判例から、18年の韓国最高裁判決を起点として3年経過すれば、賠償の請求権が消滅したと考えられるためだ。
(注12)「敵性国家」発言は、16年11月、フェイスブックへの投稿でなされた。「読売新聞」21年10月22日朝刊
(注13)「読売新聞」23年9月22日朝刊
(注14)“An interview with Lee Jae-myung, South Korea’s possible next president”, The Economist, February 1st, 2025
(注15)『ライシャワー大使日録』(03年、講談社学術文庫)、243頁
(注16)『ライシャワーの昭和史』(09年、講談社)、346頁
