[マドリード 29日 ロイター] – スペインとポルトガルで発生した大規模な停電は、29日朝までに大半の地域で電力が復旧した。
スペインでは学校やオフィスが再開された。公共交通機関も運行を再開し、交通渋滞も緩和された。多くの病院で電力が復旧したが、一部では依然として自家発電機での稼働を続けている。
スペインの送電事業者レッド・エレクトリカ(REDE.MC), opens new tabは、29日朝の時点で国内の電力需要のほぼ全てに応えられるようになったと発表した。送配電システム運用責任者は記者会見で、初期段階の評価でサイバー攻撃の可能性は排除されたと述べ、システムは現在安定しており、正常に稼働していると語った。仏自動車大手ルノー(RENA.PA), opens new tabは、スペインの2カ所の工場が現地時間28日正午過ぎから操業を停止したが徐々に再開していると明らかにした。
同社の広報担当者は「ルノー・グループ・スペインは、不可抗力事態を考慮しつつ、全力で正常化に取り組んできた。電力供給が回復し、工場は段階的に生産を再開している」と述べた。
ポルトガルの送電事業者RENによると、28日夜までに国内全89カ所の変電所が復旧し稼働を再開した。

スペインとポルトガルで発生した大規模な停電は、29日朝までに大半の地域で電力が復旧した。写真は運行を再開したマドリードの地下鉄(2025年 ロイター/Violeta Santos Moura)
ポルトガル政府は、首都リスボンの地下鉄や鉄道は運行を再開し、空港は停電の影響による遅延が残るが運用を再開したと発表した。
フランスのフェラッチ産業相はRTLラジオに対し、フランスは大規模停電に対する備えがより進んでおり、国内への影響は「最小限」だったと述べた。
今回の停電は欧州では史上最大級で、当局は電力供給停止の原因究明を進めている。
レッド・エレクトリカの幹部は28日、記者団に対し、送電網が不安定になり、スペインとフランス間の電力接続が切断された結果、スペイン国内の電力システム全体が停止したと説明した。
エネルギーアナリストで公共政策専門家のジョン・ケンプ氏は、停電を引き起こした障害の原因特定には数カ月かかる可能性があるとの見方を示した。
「この地域は風力・太陽光発電の導入率が世界で最も高い地域の一つだ」と指摘し、「今回の停電は再生可能エネルギーの信頼性や、広範囲にわたる障害後の復旧に関する重要なケーススタディーとなるだろう」と語った。
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