公開日時 2025年04月24日 05:00更新日時 2025年04月24日 10:02

ウナギ全種 規制提案検討 ワシントン条約でEU 食用流通影響も
ニホンウナギ(海部健三・中央大教授提供)

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共同通信社

 絶滅の恐れがある野生生物の国際取引を規制するワシントン条約を巡り、欧州連合(EU)が、食用のニホンウナギを含むウナギ類全種を規制対象とする提案を準備していることが23日、関係者への取材で分かった。11~12月にウズベキスタンで開かれる第20回締約国会議で仮に提案が認められれば、取引は禁止されないが、日本で消費するウナギの輸入や流通に影響が出る可能性がある。

 条約では絶滅の恐れがある生物を「付属書2」に掲載し、国際取引で輸出国に許可書の発行を義務付ける。EUはニホンウナギやアメリカウナギ、東南アジア産のビカーラ種など亜種を含めた全19種類を対象とする方針。生きた稚魚のシラスウナギや成魚だけでなく、かば焼きなどの加工品も対象になる。日本は大半を輸入に頼っており、日本のウナギ消費に大きな影響が出そうだ。

 関係者によると、提案自体が見送られる可能性も残るが、EUは6月上旬までに方針を決め、正式提案する可能性が高い。承認には締約国会議で投票国の3分の2以上の賛成が必要で、現時点での情勢は不明だ。日本の水産庁はEUに提案見送りを働きかけ、提案されれば反対する方針。

 EUは2007年、絶滅危惧種のヨーロッパウナギを付属書2に掲載するよう提案し、認められた経緯がある。稚魚が大量に漁獲され、中国などの養殖施設を経て日本に輸出されることが個体数減少の原因だと主張していた。今回はヨーロッパウナギの密輸に歯止めがかからない現状を踏まえ、規制を徹底するためには、見かけでは判別が難しい他種も対象に含める必要があると判断したもようだ。不透明な取引が指摘されるニホンウナギやアメリカウナギの取引の正常化にも貢献するとしている。

 ワシントン条約 正式名称は「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」。1973年に米国の首都ワシントンで採択された。国家間の過度な国際取引による種の絶滅を防ぐため、規制が必要と考えられる野生動植物を「付属書」に記載している。絶滅の恐れが高いとして国際取引を禁止する「付属書1」、取引に際し輸出国の許可書の発行を義務づける「付属書2」などがあり、数年ごとに開催される締約国会議で見直しが行われ、審議を経て改正される。

(共同通信)

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