ユーロが過去15年間で最速のペースで上昇している。市場は1ユーロ=1.20ドルへの上昇を予想し、ストラテジストらは予測の更新を急いでいる。
先週末、ユーロは3年ぶりの高値を付けた。米国の関税政策に起因する経済的不確実性により、伝統的な安全資産としてのドルの役割に疑問が生じているためだ。
金融サービス会社デポジトリー・トラスト&クリアリング(DTCC)によると、14日に購入されたオプション取引の4分の3は、ユーロ高を見込んだものだった。トレーダーらは、ヘッジファンドが1ユーロ=1.20ドルへの動きを狙っていると語る。みずほインターナショナルのストラテジストらは、今後数カ月以内にユーロが2021年半ば以来の高値である1.20ドルに達する可能性が高まっているとみている。
みずほインターナショナルのEMEA地域マクロ戦略部門の責任者であるジョーダン・ロチェスター氏は「為替市場はユーロを買い越しているが、構造的な分散投資の流れにより、多くの投資家がこれに追随するだろう」と指摘した。また、「今年中に1ユーロ=1.15ドル-1.20ドルに上昇するリスクは、急速に基本シナリオになりつつある」と述べた。

ロンドン時間の14日午前10時15分時点で、ユーロは前週末比0.4%高の1ユーロ=1.1404ドルで取引されている。
ブルームバーグの為替に関する世論調査に回答した51人のうち、今年中にユーロが1.15ドルを超えるとの予測する者は今のところない。ただ、欧州を拠点とする2人のトレーダーは、金曜日に大量の取引が行われたのは、ユーロのさらなる上昇による利益を狙ったものと指摘した。ヘッジファンドは、今後3-6カ月で1ユーロ=1.20ドルへの上昇を見込んでいるという。DTCCによると、14日のユーロオプションの取引量は、史上2番目の多さだった。
構造的要因
ユーロ高の背景には、構造的な要因もある。
ドイツでは、インフラや防衛分野に関する財政ルールの歴史的な転換により、追加支出が見込まれる。この動きは、世界的な景気後退が起こる場合、ユーロ圏経済を支えることになるとみられている。
一方、最終的にどの水準に設定されるにせよ、関税は欧州の対米貿易黒字を減少させるため、ドル資産への再投資額減少につながる。
ユーロがこのところの力強い上昇ペースを維持するかは、定かではない。
クレディ・アグリコルのバレンティン・マリノフ氏はユーロ・ドル相場について「過度に買われ過ぎている」と指摘する。同銀行のポジショニングモデルは、ユーロに対しショートに切り替わっている。
ウェルズ・ファーゴのマクロストラテジスト、エリック・ネルソン氏は、ユーロはさらに上昇する過程で、多少の減速を伴うと警告する。同氏は、準備通貨の切り替えは「数日ではなく、数カ月-数年の単位で起こる」と述べた。
とはいえ、米国経済、ひいてはドルに対する疑問が高まる中、安全資産としてのドルの伝統的な役割の一部を、ユーロが継承しつつあることは疑いの余地がない。
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ラッセル・インベストメントのグローバル通貨部門責任者バン・ルー氏は「安全資産か、そうでないものかという文脈の中で、中期的にはユーロに有利な構造的変化が起こっていると考えられる」と述べた。
原題:Fastest Euro Rally Since 2009 Fuels Bet on Further Jump to $1.20(抜粋)
