4,000軒以上のカレー屋を渡り歩く、カレー愛好家がナビゲート!
みなさん、「アフリカのカレー」って食べたことがありますか?
さまざまな国や地域のさまざまなカレーを食べることができる東京。インド、タイ、スリランカ、ネパール、マレーシア・・・けれどアフリカのカレーなんて聞いたことがない人がほとんどだと思います。そもそも、アフリカにカレーなんてあるの??
本記事では、そんな都内でも珍しい「アフリカのカレー」がいただけるお店をご紹介しましょう。
中野の住宅街に現れる“アフリカンカレー”のお店/サファリカレーショップ
▲途中には中野名物「守護神」彫刻が
JR中野駅南口から新宿方面に向かって、線路沿いを歩くこと5分ほど。
ありました。こちらが本記事でご紹介するお店「サファリカレーショップ」。
赤坂のエチオピア料理店「サファリ アフリカンレストランバー」で働いていた安部美紀さんが独立し、2020年にオープンしたカレー専門店です。
こちらでいただける「アフリカのカレー」は、「ドロワット」というエチオピアの国民食です。
1階は気軽なカウンター席。

お店裏手の階段から上がる2階は、ゆったりしたテーブル席です。
「アフリカのカレーのお店」などと聞くと、なんだかディープで入りづらいところを想像するかもしれませんが、この店はその真逆。小さなお子さん連れでも安心して食事を楽しめる場所として、近隣のパパママにも人気だそうですよ。
そもそもエチオピアってどんな国?
「ドロワット」の紹介に入る前に、まずはエチオピアという国についてご紹介しましょう。
アフリカ大陸の北東部に位置するエチオピアは、約3000年の歴史を持つアフリカ最古の独立国。人口は約1億人、その2/3ほどがキリスト教徒です。
首都アジスアベバにはアフリカ連合(AU)の本部が置かれるなど、アフリカ諸国の中でも中心的存在。コーヒーの原産地としても知られていますね。
ところでみなさんはボブ・マーリーというアーティストをご存じでしょうか。“レゲエ音楽の神様”といわれるジャマイカを代表するミュージシャンですが、彼によって世界に広まった「ラスタファリ運動」において、実はエチオピアはとても重要な存在なのです。
ラスタファリ運動とは、アフリカからジャマイカに強制的に連れて来られた黒人たちによるアフリカ回帰の思想・運動のこと。
この思想では、ジャマイカなど今いる場所は囚われの地=バビロンであり、還るべき約束の地=ザイオンはエチオピアであるとされています。エチオピア帝国最後の皇帝ハイレ・セラシエ1世を神様(ジャー)の化身とし、彼が即位する前の名前「ラス・タファリ・マコンネン」にちなんで、“ラスタファリ”という言葉が用いられるようになりました。今もレゲエファッションに用いられる赤・黄・緑のラスタカラーはエチオピア国旗の色なんですよ。
・・・と、だいぶ話が脱線してしまいましたが、そんなエチオピアに関する歴史や文化を知ることができるのもサファリカレーショップの魅力の一つ。店内にあるお手製の資料は一読の価値ありです。
実食!「エチオピアのカレー」
▲「ドロワット」
さて、エチオピアの文化について少し学んだところで、「ドロワット」(1,100円)をいただいてみましょう!鮮やかな黄色いライスは、ターメリックで炊かれた玄米です。
ほどよい辛さと、独特のうま味。そして、意外なほど食べ口がさわやかで重くない。スルスルと食が進んじゃいます。
「アフリカのカレー」と聞いて、どんな変わった味なんだろうと警戒していた人もほぼ間違いなく、「あれ?美味しい」って抵抗なく食べられるんです。
その秘密はエチオピアのミックススパイス「バルバレ」(ベルベレ)。唐辛子と塩にガーリック、ジンジャー、シナモン、カルダモンなどのスパイスハーブをブレンドし、天日干しにして作るそうです。
サファリカレーショップでは安部さんの料理の師匠である、サファリ アフリカンレストランバーのワンダサンシェフ経由で仕入れた、エチオピア本国秘伝の「バルバレ」を用いているんですよ。
▲(左)「ダータ」、右「ミトゥミタ」
さらに刺激が欲しい方のために、さわやかな辛さのグリーンペッパーソース「ダータ」と、うま辛チリペッパー「ミトゥミタ」という2種の辛味調味料も用意されています。
エチオピアにカレーは存在しない?
ちなみにこの「ドロワット」、エチオピアのアムハラ語で「ドロ」=チキン、「ワット」=煮込み料理という意味だそう。
「あれ?カレーじゃないの?」
そうなんです。実はこのドロワット、エチオピアではカレーじゃなくシチューの仲間。そもそもエチオピア料理にカレーという概念はありません。
▲赤坂「アフリカンレストランバー サファリ」のインジェラ。4日前までに予約必須(※サファリカレーショップでは提供していないのでご注意)
エチオピアの主食は「インジェラ」(写真)。テフというイネ科の穀物を発酵させて作るフカフカのクレープのような食べ物です。
このインジェラをいろんなおかずやワット=シチューにつけていただくのがエチオピアの食事スタイル。中でもドロワットは、ハレの日によく食べられる国民的人気料理なんです。
▲気さくな店主の安部美紀さん。以前付き合っていたアメリカ人の彼氏がラスタマンで、それがきっかけでエチオピア料理と出会ったそう
▲安部さんの料理の師匠、赤坂「サファリ アフリカンレストランバー」のワンダサンシェフ
とはいえ「アフリカで一番唐辛子を使う国」といわれるほど、ホット&スパイシーな料理好きなエチオピア。ミックススパイス「バルバレ」をたっぷり用いたドロワットは、初めて食べる日本人にとっては完全にカレーです。
試しにインジェラの代わりにご飯とドロワットを合わせたら、なんだかめちゃくちゃ美味しいカレーライスになった。
「この味をもっとたくさんの人に広めたい!」
そう思った安部さんが独立して始めた「カレー店」こそがこの「サファリカレーショップ」。元々カレーの概念がないエチオピア料理、けれども日本人が食べたら「全く新しい激ウマカレー」だったというお話なのです。
サイドメニューやあいがけも見逃せない!
▲「クックル」
サファリカレーショップで人気のサイドメニューといえば「クックル」(単品690円、カレーに追加する場合は+300円)。
羊のスネ肉を骨付きでじっくり煮込んだスープなのですが、コラーゲンと羊のうま味が出まくって、とにかく美味しい、とにかく滋味深いんです。羊好きなら是非飲んでほしい!!
▲「2種類のカレーとスペシャル定食」(1540円)。左はチキンカレー、右はドロワット。パクチーとクックルはサイドメニューとして追加したもの
その他、日本式のカレーである「チキンカレー」や、野菜たっぷりのトマトシチュー「トマトマ」をドロワットとあいがけすることもできます。
面白いのは、ドロワットと日本のチキンカレーを思い切って混ぜたり、パクチーを混ぜ込んだりすればするほど、新しい美味しさがどんどん生まれること。
皿の上の異文化ミックス、ぜひ試してみて。
夜の飲みにもオススメ!
▲珍しいアフリカのビール(右)もある
最後にもう一つ、とっておきの情報を。
エチオピアのドロワットって、実はお酒にめちゃめちゃ合うんです。
日本のクラフトジン「香の雫」とドロワットの相性にはエチオピア人もビックリ(するはず)。スパイスを多く用いたジンとエチオピア料理は合うんです。
いかがでしたか?「アフリカのカレー」なんてどんなマニアックなものなんだろう・・・なんて警戒心は全く不要。
大人も子どもも、昼も夜も、美味しくて楽しくてスパイシーな体験ができること間違いなしなのです。
ぜひ、みんなで訪れてみてくださいね。
スポット
サファリカレーショップ
〒164-0001
東京都中野区中野 2-14-20
中野駅
〒164-0001
東京都中野区中野 2-14-20
中野駅
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※本記事内の情報は2024年06月21日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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