バレンタインのチョコレートに「変化」

2月14日はバレンタインデー。「好きな人にチョコレートを贈る」という日本独自の習慣が始まったのは1950(昭和30)年代。ある製菓会社のPRの一環として始められ、定着した。

長く「女性が男性にチョコを贈る」という習慣が続いていたが、性別役割分担につながっていることや、イベントの存在意義が問われ、友達同士や自分自身にチョコを贈る人も増えている。

2025年のバレンタインは、職場の男性にチョコレートを贈る「義理チョコ」をやめる「義理チョコじまい」も話題に。

この背景には、物価高の中でも、取り分けてカカオ価格の高騰もある。ICCO(国際ココア機関)が発表した2025年2月13日の1キロあたりのココア価格は約10.4ドル(1590円)だった。過去データを見ると、値上がりが起こったのはコロナ禍前後だ。2019年2月14日の価格が約2.2ドル(335円)だったが、年を追うごとに高騰を続けており、この6年で5倍になっていることがわかる。

キャリア10年以上、3000件以上の調査実績がある私立探偵・山村佳子さんは「バレンタインに“告白する”という風潮が薄れています。しかし、むしろバレンタインにドキドキした青春時代を過ごした40代以上にとっては、チョコレートをもらい、恋が生まれ、浮気に発展することもあるのです」と言う。

山村さんに依頼がくる相談の多くは「時代」を反映している。同じような悩みを抱える方々への問題解決のヒントも多くあるはずだ。個人が特定されないように配慮をしながら、家族の問題を浮き上がらせる連載が「探偵が見た家族の肖像」だ。

今回山村さんのところに相談に来たのは外資系の会社に勤務する44歳の裕子さん。「同じ年の夫の帰宅が遅くなり、自分でパンツを買うようになったんです。完璧に浮気」と山村さんに連絡をしてきた。

山村佳子(やまむら・よしこ)私立探偵、夫婦カウンセラー。JADP認定 メンタル心理アドバイザー JADP認定 夫婦カウンセラー。神奈川県横浜市で生まれ育つ。フェリス女学院大学在学中から、探偵の仕事を開始。卒業後は化粧品メーカーなどに勤務。2013年に5年間の修行を経て、リッツ横浜探偵社を設立。豊富な調査とカウンセリング経験を持つ探偵として注目を集める。テレビやWEB連載など様々なメディアで活躍している。

「バレンタインは嫌い」な高収入女性

今回の相談者・裕子さんは、目元がはっきりしており、華やかな女性です。外資系の会社でイベント関連のプロジェクトや、SNSの運営などが主な仕事だといいます。今年、流行しているベージュのスーツを颯爽と着こなしており、いかにも”できる女性”という雰囲気。「この問題は自分としても冷静に話したいので」と、午前中にカウンセリングルームにいらっしゃいました。

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「まさかうちの夫が浮気するとは思わなかったんです。おかしい行動が始まったのは、2月半ばから。家に帰ってきてすぐにシャワーをしたり、自分の部屋に閉じこもったりするようになったんです」

裕子さんは海外出張も多く、3ヵ月に1回、7〜10日ほど家をあける日があるそうです。

「以前なら、夫は私がいない間に、バスルームのカビを取ったり、シンクの掃除をしたり、色々やってくれていたんです。でも、ここ半年ほどは何もしていない。それどころか、家に人の気配がなく、外泊をしている疑いがある。もう絶対に浮気なんですよ」

まず、裕子さん夫婦について伺うと、結婚10年とのことでした。

「夫と私は友達の紹介で出会いました。私はいわゆるバリキャリに憧れていましたが、当時は就職氷河期。大学を卒業してもどこも入れず、製パン企業に入社。工場勤務から始めて、キャリアアップ転職を繰り返し、10年前に今の会社に採用されたのです」

全ては仕事を優先しており、付き合う男性もハイスペックな人ばかりでした。しかしそういう人の多くは、裕子さんに「女」を求めていたといいます。

「元カレたちはお金がある人ばかり。ご飯作って欲しい、結婚したら家庭に入って欲しい、バレンタインに手作りチョコが欲しいとか言ってくるたびに嫌になってフェードアウト。一生独身で生きてこうとした時に、夫に出会ったのです」

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