「IRC 2026 AICHI ゴム・エラストマー技術展」には、ゴム・タイヤ関連業界をはじめ、化学品メーカー、機械メーカーなど、日本開催では過去最多となる118社が出展し、最新の技術や製品を公開している。会場の愛知県国際展示場(Aichi Sky Expo、愛知県常滑市)には、こうした最新動向に注目するビジネスマンや学生らが来場し、展示を盛り上げている。

IRC組織委員会関係者によると、技術展の来場者数は開幕日の11月3日が1,200人、翌4日が1,600人、本日(5日)が1,600人超の見込み。3日間合計では4500人近くとなり、ゴム関連の最新動向に対する関心の高さが示された。
技術展で注目を集めたブースの一つが、タイヤメーカー国内4社の展示。各社はゴム産業のサステナビリティ(持続可能性)などについての取り組みを披露した。
そのうちブリヂストンは、タイヤからタイヤへの水平リサイクルの実現に向けた技術開発を紹介している。持続可能なモビリティ社会の実現に向けて、使用済みタイヤのリサイクル技術や再生資源活用の重要性を具体的に示した。
ブリヂストン
横浜ゴムは「持続可能な社会に貢献する技術・製品」をテーマに、RFIDタグによるコンベアベルトのモニタリング、バイオエタノール由来のブタジエンゴムを配合したタイヤなど、研究開発の成果を複数披露した。
横浜ゴム
住友ゴム工業(DUNLOP)は「ゴム起点のイノベーション創出」に関する最新技術を紹介。長年培った「ゴム・解析技術力」を生かし、モビリティ・スポーツ・医療・暮らしの各領域で“新たな体験価値”をすべての人に提供し続けることを目指す姿勢を訴求した。
住友ゴム工業(DUNLOP)
TOYO TIREは、「THiiiNK」など高性能タイヤを支える分析・解析・素材設計・加工技術の展示と併せて、サステナブル素材の活用やCO2由来原料の研究など、環境負荷低減に向けた取り組みを通じ、持続可能なモビリティ社会の実現に貢献する技術開発を紹介する。
TOYO TIRE
サステナビリティは合成ゴムメーカーでも取り組みが進んでいる。日本ゼオンは、IRCの開催テーマである「持続可能な未来へのゴム技術」に対する同社の提案として、植物由来原料を使用した製品、ゴム加工時のエネルギー消費量を削減し環境負荷低減に貢献する製品などを公開している。
日本ゼオン
自動車メーカー唯一の出展企業となったトヨタ自動車も多数の注目を集めた。同社は、ゴム・エラストマーを含む幅広い材料開発の現場で、より効率的で持続可能なイノベーションの実現を支援する材料開発向けデータ活用プラットフォーム「WAVEBASE」を前面に打ち出した。AIを活用して配合設計から物性評価まで開発の試行錯誤を削減し、データに基づく開発効率向上を実現させるものだ。本業の自動車を離れた分野でも先進的な手法を提案する姿に、同社が蓄積した技術力の懐ろの深さが垣間見られた。
トヨタ自動車
IRC 2026 AICHIは明日6日に最終日を迎えるが、技術会議では70件近くの講演発表が予定されるなど、ゴム関連産業の将来像を見通す機会がまだ多数残されており、最後まで目を離せなくなりそうだ。